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フランス政府が描く、日産・支配シナリオ…「日産・三菱自の経営統合+ルノー傘下入り」案も

文=編集部

ルノーと日産の経営統合の可能性

「ルノーと日産の完全な統合の可能性もある」と現地の自動車アナリストは分析しているが、事はそう簡単ではない。

 ルノーが日産を完全子会社にするには困難がつきまとう。なぜなら、ルノーにとって日産の企業規模は大きすぎるからだ。“小が大を飲み込む”といったレベルをはるかに超える差がある。

 合併の原則から考えると、中長期的に見れば従業員数が多く、さらに稼いでいる側が主導権を握ることになる。つまり、日産が主導権を持つことになる可能性が高い。フランス政府は受け入れられないだろう。

 ゴーン氏は2月16日、パリで開いた記者会見で、「ルノーの日産・三菱三社連合(アライアンス)は持続可能かという疑問に答えていきたい。ルノー、日産、三菱に加え日仏政府の支持が必要だ」と語った。さらに「フランス政府が株主である限り、日本政府は現在の連合より緊密な構造を認めないだろう」と付け加えたと現地では報じられた。

 ゴーン氏は「フランス政府がルノーの株主である限り、ルノーの傘下に日産を置く可能性も、ルノーが日産を合併する可能性も限りなくゼロに近い」と言いたかったのだろう。それにもかかわらず、ゴーン氏の“天敵”といえるマクロン大統領はCEOの続投を認めた。

「ゴーン氏以外では日産を抑えられないという判断だろう。彼は18年間、日産を支配してきて、すべて思い通りに操れる。フランス政府はゴーン氏を信用していない。ルノーのことだけを考えれば、今回で交代させたかった。しかし、日産をコントロールするためには“重石”が必要と判断した」(日本の自動車メーカーの首脳)

 ルノーの17年12月期通期の営業利益は38.5億ユーロ。日産のルノーへの利益貢献は27.9億ユーロで、前期より60.3%増えた。日産がルノーの儲けの7割以上を叩き出しているという、“おんぶにだっこ”の構図はより深化している。ゴーン氏が退任することで、日産に好ましくない動きが出ることを避けたというのが実情だ。

 このような事情から、次のような予測をする向きもある。

「日産の社長は、比較的早く交代する可能性があるのではないか。ゴーン氏の日産会長退任とセットで新しい社長を送り込めば、日産に対してフランス政府のコントロールが利く。フランス人でなくてもいい。フランス政府の意向を尊重して、“ルノー・ファースト”を実践してくれる経済人の“天下り”ならOKということだろう。日本人以外が日産の社長になる時がゴーン氏退任の時となる」(国内の自動車アナリスト)

 ルノー・日産・三菱自連合が“ルノー・ファースト”に変質することになれば、アライアンスと呼ばれてきた、ゆるやかな連合体は崩壊する。3月で64歳になるゴーン氏に過度の依存を続ける3社連合は厳しい経営のカジ取りを迫られることになる。「ゴーン氏はルノーのCEOの任期4年はまっとうしない」(現地の全国紙記者)との見方も広がっている。一両年のうちに、ゴーン氏のCEO続投の際の“密約”の結果を出さなければならないということだ。

 もっとも、ゴーン氏自身が“マクロン・シナリオ”に納得しなければ、日産の日本人社長が続き、ゴーン氏も居座ることになる可能性が高い。
(文=編集部)

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