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某大手車買取業者、客の不安煽り&追い込み営業の実態…「今決めてもらえれば1万円」

文=関村泰久/ジャーナリスト
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某大手車買取業者、客の不安煽り&追い込み営業の実態…「今決めてもらえれば1万円」の画像1「Gettyimages」より

 山田さん(仮名)は引っ越しに伴い、長年マイカーとして所有してきた小型車を手放すことにした。引っ越しのことで頭がいっぱいだった山田さんは、愛車の処分を急いでいた。走行距離は3万キロ程度であったが、5回もの車検を経た古い車であった。山田さん自身、愛車に値段がつくかどうかは半信半疑であったものの、「費用をかけて廃車にするよりはましかも?」くらいの思いで、インターネットの買取査定サイトに情報を書き込んだ。

 すると、その直後に電話が鳴り出した。電話に出てみると、上場会社でもある大手のX社であった。ちなみに、その電話に出ている間に、同業他社からも次から次へと電話が鳴っていた。

 X社の担当者は、「個人情報を書き込んじゃったから、これから毎日1000件以上の電話がかかってくると思う。査定額なんてどこもほとんど同じだから、上場会社である弊社を信じて任せてほしい」と説得し始めた。山田さんも「多くの会社の相手をするより、最初に電話をかけてきたのも縁」と思い、「置く場所の問題もあるので、なるべく早く処分したい」と話した。

 担当者は、まず車の状況を簡単に聞くと「電話を切らないでほしい」と山田さんを長時間待たせた上で、「やはり古過ぎて値段がつかない。でも、廃車にすると時間がかかるし、1万円でも値段をつけて弊社が引き取ってしまったほうがいいと思う」と提案。山田さんは「やはり、そうですか」と返答すると、担当者はまた「上司と交渉してみますので、少しお待ちください」と言って、また電話を保留にする。しばらく待つと、「なんとか了解をもらいました。今決めてもらえれば、1万円で引き取ります」とのことで、この電話だけで時間を取られていた山田さんは、つい「わかりました」と答えた。

 X社から契約書がメール送信され、正確な買取価格は1万780円だという。「まあ、ただよりはいいか」と思っていたところ、電話で「重要なところだけ読みますので、チェックを入れてください」とチェックさせられ、あっという間に契約成立。引き取りの日程調整をする旨を約束して、一段落した。

 山田さんが念のため契約書を読み込み、さらに、ネットで注意事項を確認すると、自動車を売却する際には所有者はリサイクル料金を支払わなければならないことに気が付いた。そして、山田さんの車のリサイクル料金は1万780円であった。X社から買取価格として提示された金額は、このリサイクル料金分であることは明白である。山田さんが購入時に支払ったリサイクル料金が単に返金されるだけなのだ。さらに、車の所有者の名義変更後、前所有者が払った自動車税と重量税は案分比例して本人に戻されるべきことを知ったが、X社からは何も説明がなかった。

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