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筈井利人「陰謀論を笑うな!」

ネット企業、政府批判を「検閲」の動き…背後にちらつく米国政府の圧力

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『ザ・アレックス・ジョーンズ・ショー』のHPより

 米国の超保守派メディア「インフォウォーズ」とその設立者であるアレックス・ジョーンズ氏が、アップル、フェイスブック、グーグル傘下のユーチューブ、スポティファイなど大手ネット企業の配信サービスやSNS(交流サイト)から情報発信を禁止され、議論を呼んでいる。過激な発言で知られるジョーンズ氏の排除に快哉を叫ぶ人々もいるが、そう単純な話ではない。

 ジョーンズ氏の名は日本ではあまり知られていないが、ホストを務めるトークラジオ番組は全米で100局以上が放送する有名人だ。ただし主流メディアでは陰謀論者と呼ばれ、評判は良いとはいえない。2001年の同時多発テロは米政府の自作自演、フロリダ州パークランドの高校銃乱射事件の生存者は金で雇われたクライシスアクター、コネティカット州のサンディフック小学校銃乱射事件はでっち上げといった説を主張していることがその原因だ。

 ジョーンズ氏の番組がトラブルや事件のきっかけになったことも少なくない。サンディフック銃乱射事件で子供を失った男性は、子供が存在しなかったというジョーンズ氏のデマにより、絶え間なく嫌がらせを受けていると訴えを起こした。パークランド銃乱射事件では、犯人であるとして画像や名前を誤って公開された男性が、名誉毀損でジョーンズ氏を訴えている。

 ジョーンズ氏の主張には、裏付けの乏しい荒唐無稽なものもあるかもしれない。しかし一方で、米情報機関や主流メディアの偏った主張を正しく批判しているのも事実だ。

 主流メディアがロシアのプーチン大統領を独裁者と呼び、その権力を背景に2016年米大統領戦に干渉したという「ロシアゲート」を盛んに報じるのに対し、ジョーンズ氏は、プーチン氏は大統領選で76%の得票を勝ち取ったのだから独裁者ではありえないと反論。英国南部で起きた神経剤襲撃事件の犯人はロシアだとする英政府の主張にも疑問を投じた。

 ジョーンズ氏の番組はフェイスブックやユーチューブから排除される直前、米国家安全保障局(NSA)の元幹部で内部告発者、 ウィリアム・ビニー氏に対するインタビューを行い、米国の監視社会化に警鐘を鳴らしている。ビニー氏は、ロシアゲートは嘘だと指摘してきたことでも知られる。

 ジョーンズ氏やその番組のアカウントをすべて削除・凍結してしまえば、価値のある報道まで失われてしまう。そもそもすべてが削除されてしまったら、それが適切な対応だったかどうか、第三者が判断することもできない。

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