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榎本博明「人と社会の役に立つ心理学」

我が子を高学歴・高収入の大人に育てる親に共通する“幼児期・児童期の習慣”

文=榎本博明/MP人間科学研究所代表、心理学博士
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我が子を高学歴・高収入の大人に育てる親に共通する“幼児期・児童期の習慣”の画像1「Gettyimages」より

 IQが高いからといって大人になってから成功するわけではない。そのようにいわれるようになって注目されているのが、非認知的能力である。

注目される非認知的能力

 

 非認知的能力とは、自分のやる気を奮い立たせる力、困難な状況でも忍耐強く粘り続ける力、欲求不満に耐える力、自分を信じる力、人の気持ちに共感し人間関係を良好に保つ力、自分の衝動をコントロールする力、必要なときには自分の感情表現を抑制する力などを指す。いわば、必要に応じて自分自身をうまくコントロールする力のことである。

 幼い頃にこのような非認知的能力を高めることができた子は、大人になってから学歴が高い、収入が高い、持ち家比率が高い、健康度が高い、離婚率が低い、犯罪率が低い、生活保護受給率が低いなど、いわゆる人生で成功していることがわかってきた。

 考えてみれば、当然のことだろう。やる気にならなければいけないと頭ではわかっても、どうもやる気になれない。困難な状況では、すぐにめげてしまう。欲求不満に耐えられず、つい攻撃的になってしまう。自分を信じることができない。人の気持ちがわからず、人間関係がうまくいかない。横暴な上司や取引先にキレるなど、つい衝動を爆発させてしまう。公的な場面で喜怒哀楽を表し過ぎる。

 これでは、学校時代であれば学力向上は望めないし、友だちともうまくいかないだろう。仕事に就いてからも、業績は上がらず、人間関係でもつまづいてしまうだろう。

 では、わが子の非認知的能力を高めるには、どのようなことを心がけたらよいのだろうか。

子どもと積極的にかかわる

 忍耐強さ、自分を信じる力、衝動をコントロールする力、感情を抑制する力、人の気持ちに共感する力など、非認知的能力の特徴をみればわかるように、その基盤には情緒的安定があることがわかる。

 そこで、何よりも大事なのが、親が子どもとじっくりかかわることだ。それによって、愛着の絆が形成されていく。乳幼児期のもっとも重要な課題は愛着の絆の形成ということになる。いつも身近で見守ってくれる親の存在を感じることで、子どもは落ち着いて物事に取り組むことができる。

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