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大塚家具、経営危機が最終局面に…1年で店舗3分の1が閉鎖、ヤマダ電機との提携に孕む危険さ

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

法人向け営業に注力

 もっとも、同社はただ手をこまねいてきたわけではない。法人向け販売を強化することで突破口を開こうとしてきた。

 大塚家具は昨年3月、イタリアの高級家具ブランド「ポルトローナ・フラウ」を専門に扱う店舗を東京都港区に出店した。ブランド特化型の専門店の出店は、大塚家具では初という。大塚家具は「ポルトローナ・フラウ」の日本総代理店として06年から販売している。同店を拠点とし、ホテルなどの法人に対して売り込みたい考えだ。

 昨年には、神戸市のホテル「ラ・スイート神戸ハーバーランド」のスイートルームに「ポルトローナ・フラウ」の家具を納入してもいる。

 大塚家具は、これら以外でもホテルやレストランなどの法人に家具を納入している。たとえば、16年7月に開業した東京都千代田区のホテル「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」の全客室やレストランなどに家具を納入した。08年11月にオープンした高齢者向けマンション「サンシティパレス塚口」(兵庫県伊丹市)のレストランや共用スペースなどにも家具を納入している。これらは一例で、ほかにも数多くの法人に家具を販売している。

 大塚家具にとって、ホテルへの販売は特に重要だ。20年の東京オリンピックに向けてホテルの新規開業や改装が今後も増えるとみられており、家具を販売するチャンスが増えるとみられるためだ。

 ヤマダ電機との提携もホテルへの販売を想定している。ただ、ホテルに頼った法人営業は危険だ。

 東京オリンピックに向けてホテル需要が特需の様相を呈しているが、東京オリンピックが終わってしまえば大幅な売り上げ減は避けられない。東京オリンピック後が心配されるが、とはいえ、今のところ法人向け販売はそれなりに成果が出ている状況だ。コントラクト(法人向け販売)の18年の売上高は、前年から60.4%も増えている。

 だが、成長はしているものの、売上高は32億円と全体の1割に満たない規模だ。もちろん無いよりはあったほうがいいが、今後の見通しを考えると過度な期待はしないほうがいいだろう。

 やはり、重要となるのは店舗での小売り販売だ。しかし、店舗販売は回復の兆しが見えていない。1月の全店ベースの店舗売上高は前年同月比24.8%減、昨年12月が15.1%減と大幅減収が続いている。11月と10月こそ、9月28日から11月25日まで続けた「在庫一掃セール」が売り上げを押し上げたため、それぞれ増収となったが、9月までは14カ月間連続で前年割れだった。既存店売上高も同様に厳しい状況となっている。

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