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東進ハイスクールのFC企業も倒産…学習塾・予備校等の倒産、過去最多へ

構成=長井雄一朗/ライター
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――大手では、家庭教師のトライがテレビCMなどで積極的に訴求していますね。

箕輪 「アルプスの少女ハイジ」のアニメを利用していたため、家庭教師の効果がわかりやすいですよね。一方、小規模事業者はいくら優秀な先生がいても口コミに頼らざるを得ないため、集客の面では厳しいです。そのため、小規模事業者の厳しい局面は今後も続くと思います。

苦境の教育関連業者、勝ち負けが鮮明に

――近年の主な倒産事例を教えてください。

箕輪 ひとつ目は、17年3月に民事再生法を申請したモアアンドモアです。東進ハイスクールのフランチャイズ(FC)である「東進衛星予備校」のFC加盟企業として、本部のある神奈川県を中心に東京都、静岡県、愛知県、岡山県、高知県で大学受験に特化した予備校38校を運営していました。

 15年12月期の年収入高は約19億5900万円を計上していましたが、大規模な設備投資に代表個人の借入金を充当していたことから資金手当が追いつかなくなり、自主再建を断念。FC本部であるナガセがスポンサーとなり、事業譲渡を行っています。負債は申し立てベースで47億1200万円です。

 17年8月に破産した創拓社出版は、小・中・高校生を対象とした「個別指導塾まつがく」を主力事業とし、全国に83教室を展開、生徒数は一時4000名程度に達していました。また、家庭教師派遣事業も、関西および九州では「家庭教師のスタート」、関東圏を中心には「家庭教師のオリオン」というブランドで手がけており、16年3月期には年収入高約22億7200万円を計上していました。

 しかし、人件費や拠点維持費などが重荷となり、取引先に対する支払い遅延が発生するようになります。新規事業に参入しても業況は改善せず、事業(個別指導、家庭教師)の大半は別会社に引き継がれています。

 倒産はしましたが、いずれも事業は継続されています。特に個人指導は今後も需要があると思います。ただ、選ばれるような特色を用意しなければ事業継続は困難だということです。たとえば、地方で生き残っている中規模の学習塾などは、安易に拡大路線を目指すより、地元での安定経営を目指したほうがいいでしょう。

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