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池上彰氏の取材に立ち会い、「不勉強」と「決めつけ」に唖然…テレ東特番の収録で

文=明石昇二郎/ルポライター
池上彰氏の取材に立ち会い、「不勉強」と「決めつけ」に唖然…テレ東特番の収録での画像1テレビ東京のHPより

番組収録に立ち会う

 2005年11月に発覚した、いわゆる「耐震偽装マンション事件」をご記憶だろうか。

 警察や検察、そして報道機関が考えていた事件の首謀者は、マンション販売会社「ヒューザー」小嶋進(おじますすむ)社長(当時)だった。小嶋氏は、安全を犠牲にして利益を上げようと目論み、マンションの耐震偽装を命じたとして断罪される。そして警察は“疑惑の主人公”たちを次々と逮捕していく。事件のクライマックスは、06年5月の小嶋氏逮捕だった。

 だが、事件はこれにて一件落着とはならなかった。

「奴らは皆、儲けを最優先し、グルになって耐震偽装を働いた」と、私たち市民が報道を通じ、信じ込まされてきた事件の実態は、姉歯秀次・一級建築士(当時)の単独犯行だったからだ。事実、本件の「耐震偽装」に絡んで逮捕され、裁かれたのは姉歯氏のみだった。小嶋氏は、その犯罪による被害者のひとりにすぎない。

 姉歯氏はカネを稼ぐため、建築士としての自身の能力以上の仕事をこなそうと耐震偽装行為を繰り返し、偽装がバレてからはウソをつき、仕事をもらっていた建設会社に罪を擦りつけようとした――。これが、大山鳴動した「耐震偽装マンション事件」の真相である。

 しかし同事件では、姉歯氏との共謀を疑われ、過熱する報道による“社会的制裁”を苦に自殺した者もいた。姉歯氏を下請けとして使っていた一級建築士のM氏である。遅ればせながら、こうした真相に着目したのが2月13日付「日経ビジネス」記事『敗者の50年史 姉歯事件で倒産したヒューザー元社長の望む「死にざま」』だった。

 同記事は大変な反響を呼び、この記事をきっかけとして「耐震偽装マンション事件」を取り上げたテレビ番組も2本ある。

 ひとつは、『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系/3月17日放送)。もうひとつは、『池上彰の改元ライブ カウントダウンは生放送&平成令和バスツアー』(テレビ東京/4月30日放送)である。

 筆者は、ヒューザー元社長の小嶋氏から依頼を受け、「日経ビジネス」の取材をはじめ、『ビートたけしのTVタックル』『池上彰の改元ライブ』の取材・収録にも立ち会った。

 小嶋氏は、「耐震偽装マンション事件」で自殺したM氏と同様に、凄まじいばかりの報道被害を受け、いまだ名誉回復を果たせないでいる。再びいい加減な報道をされてはたまらないということで、小嶋氏の著書『偽装:「耐震偽装事件」ともうひとつの「国家権力による偽装」』(金曜日刊)の編集を担当した筆者が、これらの取材に立ち会うよう、小嶋氏から要請を受けたためである。

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