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ミニストップ、セブンより「日販24万」下回る…「おにぎり一律100円」で背水の陣

文=佐藤昌司/店舗コンサルタント

大手3社に対抗するための武器

 国内では、やはり大手3社に押されていることが大きいだろう。店舗数や販売力が劣っていることから、ミニストップは埋没している感が否めない。

 大手3社に対抗する武器として、1号店の開店時から設置を始めた「イートイン」の優位性が低下していることも大きい。近年は大手3社もイートンを積極的に設置しており、ミニストップのイートインの斬新性は低下している。

 商品面でもミニストップの競争力は高いとはいえない。ミニストップはコールドスイーツ「ハロハロ」やフランクフルト「ビッグドッグ」など独自の人気商品を抱えてはいる。だが、圧倒的な販売力を誇るプライベートブランド(PB)商品「セブンプレミアム」を抱えるセブンや、人気のフライドチキン「ファミチキ」などを持つファミマ、「からあげクン」などを擁するローソンに十分に対抗できるほどの商品をミニストップが多数持っているとはいえない。

 こうした厳しい状況のなか、ミニストップは集客を図るため、コンビニの顔ともいえるおにぎりを思い切って恒常的に100円という低価格で販売しようとしている。商品での差別化が難しいため、価格の安さで勝負し、事態の打開を図ろうとしているのではないか。それほどまでにミニストップは追い詰められているともいえる。

 今後の展望は厳しい状況にある。ミニストップはかつて、親会社のイオンと資本関係がある三菱商事傘下のローソンと合併して生き残りを図るとみる向きもあった。しかし、コンビニの再編をめぐるすれ違いなどからイオンと三菱商事は関係が冷え込み、イオンはミニストップ単独での生き残りを目指すようになったといわれている。

 イオンと三菱商事は08年に包括業務提携を結んだ。イオンは商品調達や海外出店などに三菱商事のノウハウを活用してきた。しかし、近年はイオンの自前の調達網が拡大したこともあり、提携効果が限られるようになったとみられる。こうしたことから、昨年末に提携を解消することを発表している。

 ミニストップは今後も独自路線で成長を目指す。だが、これまで述べてきたように、思うような成長が得られていない状況だ。「おにぎり100円」だけでは抜本的な収益向上は望めないだろう。ヒット商品を生み出すなど抜本的な対策が必要だ。

 24時間営業の是非をめぐる問題もあり、コンビニ業界には逆風が吹いている。ミニストップを取り巻く環境は厳しさを増しているといえるだろう。そうしたなか、同社が今後どのような立ち回りを見せるのか、目が離せない。
(文=佐藤昌司/店舗コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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