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選任への賛成率が低い社長・会長ワースト10ランキング

文=編集部

株主還元をめぐる株主とのせめぎあい

 キーエンスでは、議案への賛成比率が軒並み低かった。山本晃則社長の賛成比率は84.22%で、昨年の89.88%より5.66ポイント下がった。現名誉会長の滝崎武光取締役への賛成率は71.06%。昨年は77.36%だった。

 キーエンスは、工場の自動化に不可欠なセンサーを手がけるトップメーカー。多くのメーカーが相次ぎ業績の下方修正に追い込まれたなか、19年3月期の連結純利益は前期比7%増の2261億円と7期連続で最高益を更新した。

 キーエンスは高収益企業だが、配当性向が低い会社として有名。19年3月期の年間配当金は200円と前期の2倍に増やしたが、配当性向は10.7%(18年3月期は5.8%)だった。上場企業の平均配当性向は30%強。剰余金処分議案への賛成率が68.9%だったことは、「株主還元を、もっと厚くせよ」との意思表示だろう。

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)の杉江俊彦社長の賛成比率が75.26%。昨年の75.63%からさらに下がった。株式市場が経営指標として重視する自己資本利益率(ROE)が低いことが主な原因だ。19年3月期のROEは2.3%。18年3月期は最終損益が赤字のためROEは算出できない。上場企業全体のROEは9%台半ばの水準にある。

 三越伊勢丹HDの小山田隆社外取締役(三菱UFJ銀行前頭取)の賛成比率は65.72%。取締役候補9人のなかでもっとも低かった。三菱UFJは三越伊勢丹のメインバンクだ。経営の独立性に厳しい判断が下された。

 凸版印刷の金子眞吾会長の賛成率は74.6%。昨年の社長時代の78.5%からさらに落ちた。ROEが3.6%と低迷しているからだ。

 京セラの山口悟郎会長の賛成率は82.45%。同社のROEは4.5%にとどまる。

 機関投資家は「3期連続でROEが5%未満なら取締役を再任しない」との基準を設けているところが多い。

【賛成率が低い経営トップ、ワースト10】
※社名:氏名・役職、賛成率
・LIXILグループ:瀬戸欣哉・社長CEO、53.71%
・黒田電気:細川浩一・社長、54.54%
・フジ・メディアHD:宮内正喜・会長、60.63%
・野村HD:永井浩二・社長グループCEO、61.7%
・スズキ:鈴木修・会長、65.85%
・レオパレス21:宮尾文也・社長、67.47%
・キーエンス:滝崎武光・名誉会長、71.06%
・三菱マテリアル:竹内章・会長、72.23%
・KYB:中島康輔・会長、74.1%
・凸版印刷:金子眞吾・会長、74.6%
(文=編集部)

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