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親が認知症になった途端に銀行口座が凍結!親が元気なうちに絶対にしておくべき行動リスト

文=川嵜一夫/司法書士、家族信託コンサルタント
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親のお金は親のもの

 親が元気なときは、親が「よし」として、子供の生活費を出していたかもしれません。しかし、成年後見は本人の財産を守る制度です。子供や親族の生活を守る制度ではありません。親が元気なときと同じ感覚でお金を使うことができなくなってしまうのです。

 認知症になった親の後見人に子がつくと、それまでと同じ感覚でお金を使ってしまうこともあるでしょう。そうすると、ほかの子(きょうだい)から、クレームが出る可能性があります。実際に、裁判所が監督責任を問われて裁判を起こされたこともあります。そのため、裁判所は親族を成年後見にすることに対しては慎重になるのです。

成年後見人をつけると起きること

 親が認知症になり、成年後見人をつけると、あなたにはこのようなことが起こります。ある日突然、成年後見人になった専門家が自宅を訪れ、「こんにちは。このたびお母さんの成年後見人に選ばれた司法書士の○○です。今後はお母さんのお金の管理は、すべて私が行います。つきましては、お母さんの預貯金の通帳をすべて預からさせてください」と言われてしまうのです。

 筆者は、9人の成年後見人をしています。実際にこのようなことを行っています。それが成年後見人としての職務だからです。

 成年後見人の制度は、身寄りがない人にはとても良い制度です。しかし、家族など、サポートをしてくれる人が身近にいる人にとっては、あまり好ましい制度ではないかもしれません。

成年後見を避けるための方法

 筆者自身も、自分の親に成年後見人を絶対につけたいとは思いません。それでは、専門家として、どのような対処方法を考えているかというと、次の2つです。

 ひとつは「任意後見」、もうひとつは「家族信託」です。

 どちらも、認知症になる前の対策です。火事に備えた火災保険や、がんに備えたがん保険、どちらも火事になったり、がんになってから入ろうと思っても手遅れです。認知症についても同じで、任意後見と家族信託は事前に設定しておくことが必要です。

 これらがどんな制度なのかについては、次回以降ご説明いたします。
(文=川嵜一夫/司法書士、家族信託コンサルタント)

イラスト協力=きのこさん(イラストAC)

 

【完了】親が認知症になった途端に銀行口座が凍結!親が元気なうちに絶対にしておくべき行動リストの画像4●川嵜一夫(かわさきかずお)

認知症による資産凍結を防止するコンサルタント/司法書士
とき司法書士法人 代表社員
一般社団法人 民事信託監督人協会 代表理事

高校3年の時、父の会社が倒産し、両親が離婚。大学進学を断念。家族のために昼も夜も働く。少しずつお金を貯めて22歳で、日本大学に進学。アルバイトと奨学金で仕送りなしで学生生活を送る。卒業後は、東京のコンサルタント会社に就職する。帰郷をきっかけに司法書士を目指す。受験期間中、新潟・福島豪雨(2004年 7.13水害)で、家財と勉強道具の一切を失う。しかし、妻の支えもあり、翌2005年に司法書士合格。現在に至る。本人は「挫折をバネにがんばる!」と笑う。

司法書士として独立をきっかけに、家族信託の第一人者であった河合保弘氏に師事。家族信託を駆使した、認知症対策、事業承継対策を得意とするようになる。
専門用語を使わず、わかりやすく伝える口調が評判を呼び、全国の司法書士や税理士、FP等の専門家から研修会の依頼が殺到。年50回程度行っている。

モットーは、人の痛みがわかる専門家、わかりやすく伝える専門家を目指すこと。

著書:『いちばんわかりやすい家族信託のはなし』(日本法令)

家族信託の実務家向けのメルマガをほぼ毎週発行。
https://kawasakikazuo.com/

家族は妻と高校生の娘、ねこ2匹。娘とは宇宙や海外の話で盛り上がるが、ねこの相手は苦手。

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