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大乱戦の格安4Kテレビ、買ってはいけない&買うべき商品リスト!価格&性能を比較評価!

文=松嶋千春/清談社
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アイリスオーヤマ株式会社 | IRISOHYAMA Inc.」より

 2018年12月1日より4K・8Kの衛星放送が始まり、超高解像度テレビの時代が本格的に到来した。それを見越したかのように、昨年11月に4Kテレビ4機種などテレビ7機種を発売したのがアイリスオーヤマだ。4Kテレビの価格は43型が7万9800円、最大の65型でも14万8000円と、大手メーカーと比べて割安な点が特徴である。

 家庭用プラスチック製品からスタートし、インテリア用品やペット用品など取扱品目を増やしてきたアイリスオーヤマは、2012年頃から家電事業に本格的に参入した。主に湯沸かしポットなどの「生活家電」、冷蔵庫や扇風機などの「白物家電」を手がけてきたが、19年からはAV・情報機器などの「黒物家電」にも本格参入。その第一弾として、4Kテレビシリーズ「LUCA」を発表したのだ。

「LUCA」は「日本人向けの色彩(画質)」とリーズナブルな価格を売りにしているが、今や格安4Kテレビ市場は競争が激化している。家電量販店のノジマのプライベートブランド(PB)「ELSONIC」シリーズや、総合ディスカウントストアのドン・キホーテのPB「情熱価格」シリーズなど、大手家電メーカー以外から安価な4Kテレビが続々と発売されているのだ。一方で、消費者としてはどれを選べばいいのかわかりづらいのも確かだろう。

 そこで、家電量販店で年間2億円を売り上げる現役販売員であり家電アドバイザーのたろっさ氏に、アイリスオーヤマをはじめとする4Kテレビを評価してもらった。

画質がイマイチ、価格は中国メーカーに敗北

 たろっさ氏によると、アイリスオーヤマの4Kテレビは4機種のいずれも「画質がイマイチ」だという。

「一番大きい65インチは、横から見てもきれいなIPSパネルを採用しています。しかし、画面が暗い。ほかのメーカーは画像エンジンで輝度を上げて明るさを確保しているのですが、『LUCA』では採用されていないようです。残りの3タイプはVAパネルなので暗いとは感じませんが、良くも悪くも“よくあるパネルだなぁ”という印象です」(たろっさ氏)

 また、価格面でも特に優位性は感じられないようだ。

「4Kテレビを『価格.com 』で安さ順に検索すると、上位に出てくるのは『ハイセンス』という中国メーカーの商品で、43インチで4万円を切ります。一方、『LUCA』は税込み7万円を超えてくるので、安さで選ぶなら完全に負けです」(同)

 また、近年のテレビにとって重要な「ビデオ・オン・デマンド(VOD)機能」の有無も大きな比較要素になるという。

「テレビ本体だけでNetflixやYouTubeを見られるVOD機能はすでに一般化していて、ユーザーはテレビ番組だけでなく、ネットに接続して好きなコンテンツを楽しむのが当たり前になっています。パナソニックからはVOD機能付きで6万円台の4Kテレビが出ているので、そうした機能がないアイリスオーヤマの商品を、今あえて選ぶ必要があるのかは疑問ですね」(同)

 また、たろっさ氏は「LUCA」のほかの機能についても指摘する。

「機能面で求められるのは、対象ユーザー層に必要なのかどうかという点。『LUCA』は外付けHDDをUSBハブなしで2台接続できるという機能がありますが、このテレビのユーザーがわざわざ2台のHDDを使い分けるでしょうか? それなら余計な機能をそぎ落としてもっと安くするか、リモコンのボタンの文字を大きくするなどの使いやすさを追求するべき。やはり、どこをターゲットにしているのかわからないテレビといえますね」(同)

 アイリスオーヤマのPBともいえる「LUCA」シリーズは、今のところ一般の家電量販店では取り扱っておらず、同社の通販サイトかアイリスオーヤマが出資する「ユニディ」というホームセンターでしか買うことができない。

「アイリスオーヤマの発表によると、『LUCA』は全シリーズ合わせて3万台の市場投入を予定しているそうです。他メーカーの人気機種が単独で10万~20万台出ることを考えると、スペック的にもノウハウ的にも勝機がないと踏んでいるのが明らか。あくまで“試験機”というかたちで、今後はこの結果を生かして、もっと洗練された機種を投入してくるのではないでしょうか」(同)

ドンキの4Kテレビが高評価な理由

「LUCA」シリーズの評価は厳しいものになったが、一方でドンキの4Kテレビは高評価だ。

「現在出ているのは第3世代となり、50インチで4万9800円。VOD機能はついてないですが、価格を抑えた潔いつくりで、画質も東芝の下位ライン並みなので悪くないと思います」(同)

 ほかにも、オーディオに強いグリーンハウスが低音の効いたテレビを発売したり、一度は国内テレビ事業から撤退した船井電機が再参入してヤマダ電機独占販売モデルを発表したりするなど、格安4Kテレビ市場は群雄割拠の状態だ。

「価格面でも機能面でも、いろいろな選択肢を消費者に提供できるというのは家電業界にとってプラスにしかならないので、メーカーさんにはどんどんトライ&エラーしてほしいですね。アイリスオーヤマは消費者目線でコスパが良いところが魅力なので、これからも消費者目線で良いテレビをつくってくれると信じています」(同)

 日本の家電業界は冷え込みが続いているが、「価格と機能のバランスの良い製品なら確実に売れると思います」とたろっさ氏。新たな風を吹かせるのは、どの企業だろうか。

(文=松嶋千春/清談社)

清談社

清談社

せいだんしゃ/紙媒体、WEBメディアの企画、編集、原稿執筆などを手がける編集プロダクション。特徴はオフィスに猫が4匹いること。
株式会社清談社

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