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金融商品取引法違反で逮捕・起訴された日産自動車のカルロス・ゴーン前会長追及の急先鋒だった西川廣人社長が、同社の株価に連動する役員報酬について、社内規定に違反して不当に数千万円を上乗せして受け取った疑いがあることを朝日新聞などが報じた。不正を追及していた西川氏自身が糾弾されるという事態を受け、日産に対する風当たりは再び強くなり始めている。
「しかるべき金額は返納する」
問題の発端になったのは6月発売の月刊誌「文芸春秋」(文芸春秋)だ。同誌ではゴーン前会長の側近であり、弁護士でもあったグレゴリー・ケリー前取締役のインタビューを掲載し、「西川社長が日産の株価に連動した報酬を受け取る権利の行使日を変更し、当初より4700万円多い利益を得た」と報じた。
一方、日産は6月の定時株主総会で「指名委員会等設置会社」に移行。指名・報酬・監査の各委員会を設置し、社外取締役による経営の監視体制を強化した。そして、今月4日の監査委員会で「社内調査の結果、西川氏に不正の疑いがある」と報告されたのだ。監査委は今後、取締役会で不正を報告する。日本経済新聞や産経新聞などの報道によると、西川前社長は「しかるべき金額は会社に返納する」と話したという。
個人規模のきわめてセコイ不正
不正に利用されたとされているのは、株価連動型の報酬制度「ストック・アプリシエーション・ライト」(SAR)。西川氏は2013年5 月に報酬を受け取る権利行使日を一度確定させた後に、日産の株価が上昇していたため行使日をずらし、当初より多くの報酬を得たとされる。
この行為にどのような問題があるのか。政府系金融機関所属の公認会計士は次のように話す。
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