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渡辺陽一郎「いちばん詳しい『人気の新車』完全ガイドシリーズ」

大人気のダイハツ「ムーヴキャンバス」は買い?購入前の要確認ポイント3つ!

文=渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト
大人気のダイハツ「ムーヴキャンバス」は買い?購入前の要確認ポイント3つ!の画像1
ダイハツの「ムーヴキャンバス」(「【公式】ムーヴ キャンバス トップページ|ダイハツ」より)

どんなクルマなのか?

 ダイハツ工業ムーヴキャンバス」は、背の高い売れ筋の軽自動車です。全高は1655mmだからムーヴに近い数値ですが、後席のドアは全高が1755mmに達するダイハツ「タント」と同じスライド式です。スライドドアを備えた軽自動車では、全高が唯一1700mmを下回ります。

 そして、ボディの基本スタイルは水平基調ですが、角に丸みを持たせてリヤゲートを少し寝かせました。ストライプスカラーと呼ばれるボディの中央と上下を塗り分けたツートンカラーもあり、優れた実用性とオシャレな外観を両立させました。

人気を得ている理由

 30歳以下の年齢層には、子どもの頃からスライドドアを備えたミニバンに親しんだユーザーが多いです。そのため、大人になって軽自動車を買うときもスライドドアが欲しいと考えます。ただし、主力車種のホンダ「N-BOX」、タント、スズキ「スペーシア」、日産自動車「デイズルークス」は、すべて全高が1700mmを上回って実用指向が強いです。「スライドドアは欲しいけれど、ここまで背が高い必要はない」と考えるユーザーも多いです。

 このニーズに合うのが、スライドドアを装着しながら全高を1655mmに抑えたムーヴキャンバスです。丸みのあるボディもN-BOXやタントとは雰囲気が違ってオシャレです。デザイン性と実用性の絶妙なバランスにより、ムーヴキャンバスは高い人気を得ました。

気になる8つのポイントチェック&星取り採点

(1)居住空間の広さとシートの座り心地

★★★☆☆

 車内の広さはN-BOXやタントには負けますが、不満はないです。後席は柔軟性が不足して、座り心地は今一歩です。

(2)荷物の積みやすさとシートアレンジ

★★★★☆

 後席の下に引き出し式の収納設備があって便利です。その代わり、後席を倒したとき、広げた荷室の床に段差ができます。

(3)視界や小回り性能など運転のしやすさ

★★★★☆

 水平基調のボディは視界が優れています。軽自動車なので最小回転半径も4.4mに収まり、小回りが利きます。

(4)加速力やカーブを曲がるときの安定性

★★★☆☆

 車両重量が900kgを超えるので、加速力は控えめです。走行安定性はスライドドアを備えた軽自動車では優れています。

(5)乗り心地と内装の質感などの快適性

★★★★☆

 乗り心地は軽自動車の中では快適な部類に入ります。インパネなど、内装の質感も満足できます。

(6)燃費性能とエコカー減税

★★★★☆

 JC08モード燃費は28.6km/L、WLTCモード燃費は20.6km/Lなので、スライドドア装着車の中では良好です。

(7)安全装備の充実度

★★★★☆

 緊急自動ブレーキは歩行者も検知します。前後方向ともに、ペダルの踏み間違いによる誤発進抑制機能を備えます。

(8)価格の割安感

★★★★☆

 両側スライドドアの電動機能、サイドエアバッグを備えたXメイクアップリミテッドSA IIIが147万9600円と割安です。

選ぶときに確かめたい3つのメリット

・後席下側の収納設備を引き出すとバスケット状になり、上に置いた買い物袋が倒れません。

・スライドドアはドアパネルが外側へ張り出さず、狭い場所でも乗り降りしやすいです。

・乗り心地は、硬めになりやすい軽自動車としては優れた部類に入ります。

後悔しないための3つの要チェックポイント

・ターボエンジン搭載車がないので、登坂路の多い地域ではパワー不足を感じやすいです。

・後席は足を投げ出す姿勢になりやすく、座面の柔軟性も不足しています。

・シートアレンジが単純で荷室の使い勝手はあまり良くないです。自転車も積みにくいです。

こんなユーザーにおすすめ

 ムーヴキャンバスは買い物のしやすさに重点を置いて開発されました。あらかじめ後席下側の収納設備を引き出し、バスケット状にセットしておきます。そして、買い物を済ませて戻ってきたら、右側の電動スライドドアを開き、バスケットの中に買い物袋を収めます。シートの上に置くと走行中に倒れやすいですが、収納設備の内部に収めれば安定します。スライドドアを閉めたらスムーズに運転席に移って発進できます。この機能により、平日は買い物用、休日はファミリーカーとして使いやすいです。

今後のモデルチェンジ予想

 ムーヴキャンバスの発売は2016年なので、当分の間、フルモデルチェンジは行われません。それでも、誤発進抑制機能にブレーキ制御を加えるなどの改良を施す可能性は高いです。価格の割安な特別仕様車も追加するでしょう。

最近の販売状況と安く買うための商談方法

 ムーヴキャンバスは柔和でオシャレなボディに実用的なスライドドアを組み合わせたことで、堅調に売れています。ムーヴよりもムーヴキャンバスのほうが販売台数は多いです。購入時には、同じ価格帯に属するスズキ「ワゴンRハイブリッドFZ」、日産「デイズハイウェイスターX」などを相手に、値引きの競争をさせると良いでしょう。

リセールバリュー/数年後に売却するときの価値

 今はスライドドアを装着した軽自動車の人気が高いです。ムーヴキャンバスは外観のデザインにも特徴があり、ほかの車種とは違う魅力を備えています。中古車市場における人気も高く、比較的有利な条件で売却できるでしょう。3年後に売却するときの価値は、新車時の45~50%です。

これが結論!/このクルマの総合評価&コメント

★★★★☆

 スライドドアを装着した軽自動車の多くは全高が1700mmを上回ります。車内はとても広く、後席を畳むと自転車なども積めます。その点で、ムーヴキャンバスは天井を少し低く抑えることで、スライドドアの実用性と個性的な外観を両立させました。N-BOXやタントに比べると積載性が下がるので、難しい商品企画でしたが、絶妙な外観により魅力を高めました。ムーヴキャンバスの人気は、デザインによるところが大きいです。後席の座り心地は今ひとつですが、座面の下に引き出し式の収納設備が備わり、買い物袋も置きやすいです。

 グレードはサイドエアバッグを備えたXメイクアップリミテッドSA III(147万9600円)、あるいはバイアングルLEDヘッドランプなども加えた上級のGメイクアップリミテッドSA III(155万5200円)を推奨します。
(文=渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト)

※価格は消費税8%で表示されています。

渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト

渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト

1961年生まれ。神奈川大学卒業。1985年に自動車雑誌を中心に扱うアポロ出版株式会社に入社。その後、同社で複数の自動車雑誌やアウトドア雑誌を手掛け、1989年に自動車購入ガイド誌「月刊くるま選び」の編集長に。1997年にはアポロ出版株式会社の取締役も兼任。2001年6月に40歳を迎え、同月に「カーライフジャーナリスト」の肩書でフリーランスに転向。

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