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将棋人口1000万人に、空前のブーム…最多の10代の間で過熱、藤井聡太人気も後押しか

文=山田稔/ジャーナリスト
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ニコニコ超会議2019 藤井聡太七段も出席(写真:森田直樹/アフロ)

 将棋ブームが続いている。今回のブームの火付け役は、14歳2カ月でプロ入りを決め、史上最年少棋士記録を62年ぶりに更新した藤井聡太七段(17歳)だが、その他の棋士の活躍も華々しい。

 ここ数年、将棋界は話題に事欠かない。2017年には、竜王位を獲得した羽生善治九段(49歳)が永世七冠の偉業を達成し、国民栄誉賞を受賞。ところが、翌2018年12月の竜王戦では、羽生・永世七冠から広瀬章人八段(現・竜王、32歳)が竜王の座を奪取。羽生九段は前人未到のタイトル獲得100期を目前にして、27年ぶりの無冠となった。

 18年夏には、将棋界は8大タイトルを8人の棋士が持つ、群雄割拠の時代に突入していた。竜王・羽生善治、名人・佐藤天彦、王位・菅井竜也、王座・中村太地、棋王・渡辺明、王将・久保利明、棋聖・豊島将之、叡王・高見泰地の8人である(18年7月時点)。

 それが1年半でガラッと変わった。19年11月時点では、竜王・広瀬章人、名人・豊島将之、王位・木村一基、棋王・王将・棋聖の3つのタイトルを渡辺明が持ち、王座・叡王の永瀬拓矢と5人で分け合うかたちになった。今年前半までは豊島名人が三冠だったが、棋聖、王位を失い、現在は名人位のみ。逆に、一昨年不振だった渡辺が一気に盛り返し、現在は三冠。永瀬が二冠で続く。

 11月19日に行われた第六十九期王将戦挑戦者決定リーグの最終対局は、藤井七段が勝てばタイトル挑戦の最年少記録更新がかかっていたが、広瀬竜王に敗れ、更新はならなかった。9月に行われた王位戦第七局では木村九段(当時)が豊島王位(当時)を破り、46歳3カ月で悲願の初タイトルを獲得した。32歳で竜王戦に初挑戦してから7回目のタイトル挑戦だった。史上最年長のタイトル獲得に世間は「中高年の星」と沸き立った。

将棋人口1000万人時代。総務省調査では26%が10代

 将棋人口はどのくらいいるのだろうか。15歳から79歳までが対象の18年の「レジャー白書」では700万人とされている。将棋の場合、早い子は4歳程度から始め、小学生でもかなりの子どもたちが指しているから、700万人よりは多いと見られる。

 総務省の社会生活基本調査(16年)の行動者率調査(10歳から75歳以上)を見ると、将棋の行動者率は3.2%。行動者数は363万3000人となっている。一方、日本将棋連盟の谷川浩司前会長は15年の新年のあいさつで、前年のレジャー白書の将棋人口が670万人と発表されたことを受け、「お子さんを含めた将棋人口は1000万人と表現してよいと思います」と語っている。調査によって幅はあるが、昨今の隆盛ぶりからすると、小さな子どもたちも含めた将棋人口は1000万人という数字が現実味を帯びてくるように思える。

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