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すぎもとたかよし「サラリーマン自動車ライターのクルマ業界ナナメ斬り!」

大盛況の東京オートサロン、トヨタや日産などメーカーが出展する意味は一体どこにある?

文=すぎもと たかよし/サラリーマン自動車ライター
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 1月10日(金)から12日(日)まで開催された「東京オートサロン 2020」。本家ともいえる東京モーターショーが東京ビッグサイトへ移った後も幕張メッセで行われる本イベントは相変わらず盛況で、今回は3日間で33万6,060人と過去最多の来場者数を記録し閉幕した。

 この人気ぶりを無視できなくなった大手メーカーは数年前から本格参加するようになり、今回も400社以上が出展するなか、会場の一等地をおさえて広いブースを構えていた。

 ただ、バリバリの改造車やカスタマイズカー、あるいはパーツ類の見本市であるオートサロンに、あえて大メーカーが参加する意味はどこにあるのだろう? もちろん身近な存在としての集客力は圧倒的だが、肝心の中身は果たしてどうなのか?

 僕は、初日にそのメーカー系ブースを取材したが、カスタマイズの祭典という「何でもアリ」のなかでは、それぞれのメーカーの考え方や指向性が非常に明快に浮き出てくる。そこで、今回はその内容を通して、メーカー参加の意義を考えてみたい。

場違いな感じが否めないトヨタ

 で、冒頭からいきなり意外な話だが、「カスタマイズ」の意味を非常に狭く捉えているのがトヨタと日産、ホンダ、スバルの大手4社で、展示が「走り」に偏向しており、かつ内容が安易だ。具体的にはトヨタが「GR」、日産は「nismo」と「オーテック」、ホンダは「Modulo」や「無限」、スバルは「STI」という自社のスポーツブランドの展示がメインで、それ以上の工夫があまり感じられないのだ。

トヨタ「GR ヤリス」

 トヨタなどは、プレスカンファレンスで豊田章男社長のサプライズ登場という大々的な演出が行われていたが、その主役が「GR ヤリス」というのはどうにも拍子抜けだ。ラリーでの必勝を目指して開発した努力は否定しないが、その自画自賛ぶりが実に場違いな感じだった。

 日産はnismoやオーテック以外にフェアレディなどの記念モデルを用意したが、外装カラーを少し変えた程度で「数稼ぎ」にしか見えず、それはF1マシンを置いたホンダも同様だ。そもそも、自社のスポーツブランドは日常的にカタログモデルとして設定されているワケで、それを並べたところで新しい驚きや感動は生まれない。

スズキ「スイフトスポーツ KATANA EDITION」

 一方で、スズキとダイハツは東京モーターショーと同じく、バラエティに富んだ「小作品」を並べることでブースを賑やかにしているのが特徴だ。いわば手の込んだ「特別仕様車」を多数用意する手法で、ニュアンスを東京モーターショーと少し変えているところが肝であり、その点で参加の意義が感じられる。

 スズキは「スペーシア ギア」など、特別仕様車におけるCMFデザイナーの活躍が日頃から感じられるが、今回も「スイフトスポーツ KATANA EDITION」をはじめ、ユニークな発想でかつ質感の高い提案が見られた。ダイハツは「HIJET TRUCK」が若干悪乗り気味だったが、「Tanto CROSS FIELD Ver.」などはスズキ同様にCMFががんばっていたし、「TAFT concept」という目玉も用意されていた。

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