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堀田秀吾「ストレス社会を科学的に元気に生き抜く方法」

自然に接することによるストレス解消効果、最新研究で興味深い結果が判明

文=堀田秀吾/明治大学法学部教授
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「Getty Images」より

 日々の生活でストレスが溜まってくると、山や海に行ったり、森林浴をしたりと、自然を感じられる場所に行きたいと思いますよね。でも、意外や意外、自然に触れることが心身に効果的だろうというのは、なんとなく経験としてわかっているものの、実際のところ、どれくらいの時間、自然に接すればいいのかは研究されたことがありませんでした。

 それを明らかにしたのが、2019年に発表されたミシガン大学のハンターらの研究です。ハンターらの調査では、都会暮らしの36人の被験者に、8週間にわたって週に最低3回10分以上、自然に触れる機会をつくってもらってすごしてもらいました。場所については、被験者自身に「自然」と感じる場所を選んでもらいました。そして、各被験者は、調査期間中に4回にわたってストレス度合いをチェックするために唾液が採取され、ストレスが高まると分泌量が増えるとされているコルチゾールというホルモンが計測されました。

 その結果、20〜30分間、自然に触れると効果が最大になるということがわかりました。しかも、ストレス値が、1時間あたりで28.1%も低下しました。もちろん30分を超えてもストレスは下がるのですが、下がるペースが遅くなりました。

 とはいえ、多忙な毎日のなか、自然に触れに行く時間を見つけるのも難しいという方もいらっしゃるでしょう。そういう場合は、たとえば通勤の時に緑がたくさんある公園を抜けて歩いてきたりするように心がけたら、効率的にストレス解消できそうですね。ビルのひしめき合う都会でも、空中庭園などが増えてきていますし、都会にもひょんな場所に喧騒を忘れさせてくれそうな自然と触れ合える場所があったりします。そういう自分が自然と触れ合っていると感じられるスポットを、普段から見つけておくと良いかもしれません。

「音」のみでも効果

 また、そういう場所も時間もないという方におすすめなのは、「自然の音を聞く」という方法です。

 これはイギリスのサセックス大学のグルド・フォン・プラーグらが2017年に公表した研究ですが、波の音のような「自然の音」と高速で走る交通騒音のような「人工的な音」を被験者に聞かせて、脳の活動をfMRI(機能的核磁気共鳴画像法)を使ってスキャンしました。自然の音と人工的な音も、それぞれ聞き慣れた音と聞きなれない音を用意して5分25秒間聞かせました。聞きなれない音の場合、自然の音と人工的な音でさまざまな刺激に対する反応時間(反応潜時)に差はありませんでした。つまり、聞きなれた自然の音のほうが良いということです。

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