新型コロナ、政府の基本方針を専門家が一刀両断…国内蔓延の事実を隠蔽、開業医の利益優先の画像1
安倍晋三首相(写真:日刊現代/アフロ)

 新型コロナウイルスの影響拡大を懸念して日経平均株価が一時1000円超値下がりした2月25日午後、政府の新型コロナウイルス対策本部が対策基本方針を決定した。これは24日に行われた専門家会議の結果を受けたものだが、対策が手ぬるいとの批判を受け、政府は朝令暮改で一転、イベントなどの中止、延期要請に加え、3月2日から全国の小中高の一斉休校に踏み切らざるを得なくなった。

 政府のこれまでの新型コロナウイルス対策について、一貫して問題提起をしてきた医療ガバナンス研究所の上昌広理事長も、今回の政府の基本方針を「問題だらけ」と一刀で切り捨てた。上理事長に話を聞いた。

政府が触れなかった2つのタブー

――政府の対策基本方針のどこが問題だらけなんですか?

上昌広氏(以下、上) 検査態勢が相変わらず不十分なところです。民間の検査機関での検査、スマホやPCのテレビ電話を使った遠隔診断についてもまったく触れていない。現時点で、新型コロナウイルスの検査は厚生労働省が認めたところでしかできない。PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)の機械なんか持っているのは、国立感染症研究所や大学病院か大病院だけですよ。

 でも、この病気は患者さんの立場に立てば風邪と同じなんです。風邪で大学病院なんか行かないでしょ。つまり、近所のクリニックで検査できないとダメなんです。どのクリニックも、血液検査や尿検査は民間の検査会社がやっています。検体をとれば民間の検査会社が取りに来て、夜に検査して朝には結果を教えてくれます。

 民間の検査機関は100社あって、900のラボを経営しています。少なく見積もって、ひとつのラボで20検体しか検査できないとしても、1日に1万8000近い数の検査ができる。この検査を保険適用で受けられるようにすればいいんです。

 もうひとつは遠隔診断ですね。病院に行くと、そこで病気を広めたりもらったりする可能性もあるので、スマホやPCを使った遠隔診断は新型コロナウイルスなどの感染症には最適なのですが、遠隔診断が認められているのは再診だけです。初診から認めると、みんな専門医に診てほしいので、近所の開業医が儲からなくなるからです。つまり、開業医の利益を守るために厚労省が規制しているといえます。この2つはタブーなので、触れなかったのでしょう。

 PCR法の検査につべこべ理由を付けているのも、国立感染症研究所や大学病院で検査すれば補助金が下りるからです。民間の検査会社で保険適用で検査できるようになったら、上前をはねられなくなる。つまり、政府は今回の新型コロナウイルス検査も公共事業にしたいのでしょう。

――最大の目標は感染拡大のスピードの抑制と死亡数を減らすこと、とありますが。

 すでに蔓延してかなりの感染者が出ているので、抑制するのは難しいでしょう。それも検査をしたからわかった数字であって、実態を反映した数字ではないですからね。症状が軽い人には検査を受けさせないのですから。厚労省は蔓延していることを否定したいだけ。今の感染者数は、すべて適切に診断できている数字だと言いたいのでしょう。

 重要なのは死者を減らすことですが、死亡のリスクが高いのは高齢者です。クルーズ船でも4人目の死者が出ましたが、あれは健康で元気なおじいちゃん、おばあちゃんを4人殺したのと同じです。外出を自粛するかどうかという以前に、高齢者への感染をいかに防ぐかが大事です。その間にワクチンをつくればいいわけですからね。

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