真のポテンシャルを見極める「眼」を持てば、経営戦略を実現する人事が動き出すの画像1
※画像はイメージ(新刊JPより)。

「せっかくいい“人財”を採用できたのに、現場のマネジメントに潰されてしまった」
「プレイヤーとして優秀だった人にマネジメントを任せたら、そのチームの成績が落ちてしまった」

 会社にとって「人」は財産そのもの。しかしこれまで私たちは、人の真のポテンシャルを見抜いて採用、配置、抜擢ができていただろうか? 個にフォーカスし、個々の勝ちパターンを尊重し、個を活かす育成体系が設計されていただろうか?

 一般的優秀人財が、自社にとっても優秀人財とは限らない。採用する時には、自社にとっての優秀人財かどうかを見極めなければならないのだが、それが出来ずに「不適合人財」を抱えて苦しむ企業は多い。社員個々の特性や勝ちパターン、躓くポイントを把握することができずに、配置や抜擢がうまくいかないケースも多い。これらの根本的な原因は、経験と勘に頼り、科学を用いる姿勢がないことにあるのだ。

■経験と勘に頼った人事から脱却すべき

 今や、「経験と勘」に頼った人事は限界を迎えている。多くの企業で、人事課題が一向に解決していないのは、科学を用いないからである。かといって、科学的ツールを導入すれば全て解決するという単純なものでもない。科学は万能ではないからだ。

 人の判断、つまり定性・主観的な判断は、間違いではないのだが、それだけでは足りないために、定量・客観的な科学的分析データによって人的判断を補うべきなのだ。

 例えば採用シーンでは、多くのアセスメントが、単なるネガティブチェックとして用いられている。ではネガティブチェックをパスした人財は活躍できるのか? 不明なはずだ。科学によって、活躍可能性を予測していないからだ。企業が費用と労力をかけてアセスメントを用いる目的は、自社における活躍可能性を一定の確率で見極めるためである。

 さて、そもそも人の内面を測定することは難しい。測定できたとしても、企業側の「求める人財要件」が明確でなければ、組織にフィットするのかどうか、活躍できるのかどうか、将来幹部になれる可能性はどれほどかが、全く解らないということになる。
「人の内面の測定」と「求める人財要件の明確化」は車の両輪なのだ。

『HRプロファイリング 本当の適性を見極める「人事の科学」』(須古勝志・田路和也著、日本経済新聞出版刊)は、この難しいテーマに切り込んでいく。

「人の内面の測定」について、本書では「ヒューマン・コア」という考え方を提示している。ヒューマン・コアとは「性格特性・動機」 のこと。外向性、知的好奇心、変革創造性などを指す言葉であり、人の行動や意思決定の根源的な土台になるものだ。

 注意すべきは「ヒューマン・コア」は「マインド」とは別のものだという点。マインドは意識や意欲・心構えといったもので、これは時と共に変わりやすい。これに対して「ヒューマン・コア」は、その人の本性とも言えるもので、一生を通して容易には変わりにくい。人事の場面では「あの人のマインドは・・・」と、マインドという言葉が飛び交うが、相手の人となりをより正確に把握するために注目すべきはヒューマン・コアの方なのだ。

 ただ、本書ではこのヒューマン・コアを把握するだけでは、人事はうまく行かないとしている。受け入れる企業側に「こんな人財がフィットする」「こんな人財が活躍する」という自社の基準がないからである。

 一人のリーダーが多くの兵隊を率いてうまくいっていた時代はもう終わった。今は、変化が激しく、人も組織も多様化が加速している時代だ。その組織に「フィットする人財要件」も会社や組織分野それぞれで振れ幅が大きくなっているのだ。「ヒューマン・コア」は、企業側が自社ならではの「将来活躍する人財像」を把握してはじめて意味を持つものだ。

「ヒューマン・コアをつかむこと」と「自社で将来活躍する人財要件を設計すること」。

 共に簡単なことではないが、この二つを明らかにすることで組織変革を促し、強い組織を作ることができる。

 本書ではヒューマン・コアを定量的に把握する手法や、求める人財要件の設計手法について詳しく解説されている。

 経営者や人事担当者など、組織の中で「人」を扱う仕事をしている人であればどんな人でも多くの学びを得られるはずだ。
(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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