
安倍晋三首相(65)が今年、夏休みを取るのか、取らないのかについて、インターネット上でちょっとした議論になっている。発端は時事通信が12日に配信した記事『安倍首相の夏休みが中ぶらりん状態…コロナ禍で定まらず』だった。同記事では安倍首相の夏休みの予定が東京都の小池百合子知事が旅行や帰省の自粛を呼びかけたこともあって「中ぶらりん」の状態になっていると指摘。「『批判の集中砲火で疲れている』。首相の近況を周辺はこう明かし、15日の終戦記念日後は例年通り別荘に滞在して、英気を養えないかと気をもんでいる。ただ、『優雅な静養は国民から反発を浴びる』(自民党ベテラン)との声もあり、二の足を踏んでいるのが実情だ」などと分析した。
これに対して、インターネット上では「どんどん休んで欲しい」「どこの分野もレベルも待った無しですからねぇ…まぁ体調管理も給料のうちと言うことで」などと休みを取るよう促す声がある一方、「医療機関は休まずに頑張ってるのに休んでいいんですか!?」と批判の声も上がっていた。
一部週刊誌報道で健康不安説が指摘されて以降、安倍首相は今月に入ってから明らかに顔色が悪いことがさまざまなメディアで指摘されている。また広島市の平和記念式典、長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典であいさつがほぼ同一の文面であったことが発覚するなど、明らかに精彩を欠いた動向が目立ち始めている。
自民党内に響く「この夏は正念場だ」との声
自民党関係者は次のように語る。
「どの程度深刻なのかわかりませんが、首相がベストコンディションでないことは誰もが知っていますよ。一部報道で指摘された持病に関しても、メンタルの影響を強く受ける種類のものです。精神的な疲労が一番大きいのではないでしょうか。
ただ、二階俊博党幹事長をはじめ、党上層部の中には『この夏は政権の正念場だ』とはっぱをかける声も強いようです。そうした声を意識してか、首相は『首相健在』をアピールするために官邸に出勤したり、ジムに行ってみたりしている。例の広島、長崎の平和式典の原稿は、別々の凝った原稿にしても首相が覚えられなかったり、言い間違えたりしないように官邸が配慮したのではないかという見方が強いです」
「国のトップが休んでいないのに休むのか」という重圧
首相が「健在」をアピールするために、出勤しなくても良い日に官邸に出勤することで、疲労を募らせる人々もいる。霞ヶ関の若手官僚たちだ。厚生労働省の若手官僚は次のように話す。