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内田実人「親子でできる中学受験算数」

正方形の向きを変えると、とたんに大きさが“わからなくなる”子どもたち

文=内田実人/中学受験指導スタジオキャンパス
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正方形の向きを変えると、とたんに大きさが“わからなくなる”子どもたちの画像1
「GettyImages」より

向きが変わったとたんに…(公式に頼るだけの子)

 前回まで「計算力」をテーマにして、中学受験に向けた算数のアドバイスをさせて頂きました。今回からは「平面図形」を取り上げてみたいと思います。まずは過去にあったエピソードから。

 先日、普段私が指導させて頂いている「中学受験指導スタジオキャンパス」において、「親子算数学習会」なるものを催しました(対象のお子様は小学校5年生)。さまざまな題材(前回までテーマにしていた計算等も含む)に触れるなか、「平面図形」をテーマにした導入において、以下のような問題に親子で取り組んでもらいました。

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 ほとんどのお子様(保護者の方もご一緒に取り組んでくださいました)が短時間で2番目の大きさと思われる正方形をかいてくれました。ところでどんな正方形だったと思われますか? 皆さんも実際に想像してみてください。ほぼ全員のお子様が下のような正方形をかいていました。

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 実はこれ、3番目の大きさの正方形なんですよね(大きさは「4」です)。2番目の大きさの正方形は以下の通りです(大きさは「2」ですね)。

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 やっぱりか!多くのお子様が正方形は赤く囲んだ四角形の向きでしか認識していないんだなあと感じました。

 もちろん「それは3番目の大きさだよ。もう少し小さい大きさの正方形がかけるんじゃない?」と伝えると、「2」の大きさの正方形をかいてくれるお子様が増えますが、それでも以下のような

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「たしかに大きさは『2』だけど、それって長方形だよ」というお子様も見受けられました。「なかなか根深いぞ!」と思いながら、「傾いたり、回転したりしても正方形は正方形だよね」と言いながら、「じゃあ続けて4番目をかいてみよう!」と伝えると、多くのお子様が

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と、5番目の大きさの正方形をかいちゃいました(大きさは「8」ですね)。たしかに「向き」が違っても正方形がかける(あるいはそれでも正方形は正方形だ)という認識は一歩進みましたが、今習った(見た)ことと、まったく同じ行動となってしまっているようです。ちなみに4番目の大きさは以下のような傾きの正方形ですね。

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 さらにお子様方に「1番目の大きさは『1』, 2番目の大きさは『2』, 3番目の大きさは『4』だったけど、この4番目の正方形の大きさはいくつかな?」と尋ねると、これまた困っちゃうお子様がちらほら。

 なかには「1番目はたて×横が1×1だから1, 2番目は対角線×対角線÷2が2×2÷2だから2, あれっ、この4番目は…?」と、ブツブツ言いながら考えるお子様も。試行錯誤してくれて、こういう時間はとても大切だと思いながらも、次の一手を打てない(経験がない、知識がない)お子様が多いなあとも正直感じました。

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