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乗客が知らないタクシードライバーのスゴい営業術…優良運転手を見極めるコツ

文=後藤豊/ライター兼タクシードライバー
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「gettyimages」より

「収入が4割落ちた」「時給にしたら500円、コンビニより低い」――こんな嘆きも聞こえてくるタクシー業界。飲食店と並んで不景気の影響をもろに受ける職種だが、それでもトップドライバーは普通のドライバーよりも年収の落ち込み方が低い。

 緊急事態宣言が延長されている今も、平均売り上げで1日6万円(税込み、平均月収40万円前後)以上をキープする東京都内のトップドライバーに、その仕事術を聞いてみた。

稼ぐドライバーが無線を意識する理由

「タクシーで客を乗せる方法って、『流し』と『付け待ち』に大別されるよね。ただ、3つ目として無線を意識するのはすごく大事だよ。小さな会社や地方だと、短い距離だとわかっている無線を誰も取らないときがあるでしょ。でもね、積極的に無線を取るほど、無線係が『無線を意識してる』と認識するので、ピンポン(無線室からの直接指名)が多くなる。迎車料金がある上、回数が増えるんだ」

 回数が増える=実車率が高くなるため、売り上げも上昇する。一例を挙げれば、C駅からD病院に向かった帰り、空車でC駅に戻ることは多々あるが、その帰りにC駅まで行きたい客をピンポンしてもらえると、たとえワンメーターでも非常に助かるのだ。

 東京では、大手4社(日本交通、大和自動車、帝都自動車、国際自動車)を中心に無線客を大事にする会社が多く、無線配車のドライバーの助手席を見ると、乗務員証の上に「優良」と記されているケースがある。

「5年間無事故無違反=(交通事故および道路交通法違反がない。一般のゴールド免許と同じ)が条件となるから、客に安心感を持たれるんだ」

 バスタ新宿や東京駅八重洲口など、都内には優良運転手のみが入れる乗り場も存在する。優良ドライバーのほとんどはハコ型のジャパンタクシーに乗っており、富裕層やミドル客が好んで乗車する。急いでいない限り、クラウンを避けてジャパンタクシーを選ぶ客も増えており、そのジャパンタクシーに優先的に乗れるのが優良乗務員だ。

スリースターの特権と“オバケ客”とは

 加えて、東京の大手4社には上級乗務員が存在する。日本交通では「スリースター」と称されるが、Aさんが以前勤めていた際のスリースターの条件を教えてくれた。

「スリースターは売り上げに対する歩合率が最高である半面、帰庫時間に1分たりとも遅れない、休憩を十分に取る、客からの苦情が皆無、などの条件がある。ただ、たまに帰庫時間に遅れても、上司と人間関係をつくっておけば大目に見てもらえるよ。俺は基本的に無線優先の仕事なので、無線優先権を使うんだ」

 Aさんによると、次の条件をクリアすると無線優先権が与えられるという。

「月の無線了解率95%以上で、月70回(1出番平均6回)の無線を了解したら翌月に15回の優先権をもらえる。というのも、東京だと同じ会社(グループ込み)での“無線狙いライバル”が多いだろ。その中で優先的に配車してもらえるから乗車率も高まるんだ」

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