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「ハゲは遺伝」「辛い食べ物は髪に悪い」は事実?リアップの大正製薬研究員に聞いた

協力=大正製薬株式会社、取材・文=小澤佐知子
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「Getty Images」より

 薄毛は、多くの男性が抱える悩みのひとつ。ポジティブに捉えてオシャレ坊主にヘアスタイルをシフトし、“薄毛でも魅力的なオトコ”を演出したいところだが、薄毛の予兆・進行を感じ始めたら不安になるのがホンネ。まことしやかな薄毛や育毛にまつわる話が巷にあふれているのは、その証左だろう。

 そんな「興味はあるけれど、実際の効果はどうなの?」という真偽不明な育毛・発毛方法や、薄毛対策に関する幅広いアイテム選びまで、玉石混交の情報に惑わされ、正しいケアを実践できている人は少ないかもしれない。

 そこで、発毛剤「リアップ」の開発、薄毛などの研究を行う大正製薬株式会社の出浦小織氏に「薄毛にまつわるウソ・ホント」について、話を聞いた。

 出浦氏は大正製薬に入社以来、OTC医薬品(薬局・薬店・ドラッグストアなどで購入できる医薬品)の開発に従事。現在、同社のセルフメディケーション開発研究所に所属し、毛髪科学や皮膚科学に基づく製剤の開発を担当する、その道のエキスパ―トだ。

――「ハゲは遺伝する」は本当か?

「壮年性脱毛症(AGA)は遺伝性のものです。ただし、薄毛の進行には複数の原因が関係している場合があります。遺伝だけではなく、生活習慣や喫煙、ストレスや紫外線なども抜け毛の原因となりますから、普段から規則正しい生活を心がけることも大切なのです。

 ちなみに、薄毛の進行の見極めは、以前と比べて頭頂部や前頭部の髪が薄くなってきた、もしくは髪が細く、短くなっていると気づいた場合です。AGAの可能性があります。成人男性の抜け毛・薄毛の多くはAGAによるものといわれています。

 AGAになると、男性ホルモンの働きによって毛髪の成長期が短くなり、髪の毛が十分に成長する前に退行期に移るため、髪の毛は細く短い産毛のような毛から成長しなくなります。そのため、産毛のような細く短い毛が増えてボリュームダウンするのも特徴です。

 AGAは進行性なので、そのままにしておくと薄毛が広がっていきます。髪の毛が完全に抜け落ちてしまった部分は対策・治療の効果が出にくくなるので、AGA対策は早めに行うことが大切です」

――発毛剤、育毛剤、頭皮用ローションの効果の違いとは?

「発毛剤は、毛包(毛を産生する器官)を活性化させて新しい髪の生成を促します。また、血行を促進させて細胞に栄養を行き渡らせて発毛を促進し、髪を太くします。つまり、『新たな毛を増やす』と『抜け毛を防ぐ』という2つの効果があります。

 育毛剤は、頭皮を清潔に保ち、髪が育ちやすい環境を整えることで、『抜け毛を防ぐ』効果が期待できます。

 そして頭皮用ローションは、頭皮のうるおいを保つなどの頭皮環境の改善が目的です。いずれにしても、自分の頭皮や髪の状態に合わせてアイテムを選びましょう」

――「辛い食べ物は髪に悪い」といわれるが、その真偽は?

「“辛いもの=髪に悪影響”の噂の根拠は不明ですが、辛いものを食べると汗ばみ、皮脂がたくさん出るため、アブラっぽくなった頭皮が髪によくないと連想するのかもしれません。実際、唐辛子は発汗作用があるカプサイシンを含み、食べると汗や皮脂が一時的に大量に分泌されます。気になっても、洗髪することで頭皮環境への影響は抑えられるはずです」

――「ワカメを食べると髪がフサフサになる」という俗説が流布した理由は?

「ワカメを含む海藻は、髪の毛の主成分『ケラチン』の生成にかかわる亜鉛を含む食品ですので、“ワカメ=髪にいい”というイメージがついたのかもしれません。なお、亜鉛は、牡蠣やレバー、チーズ、煮干にも多く含まれています。

 また、髪の毛の健康には亜鉛だけでなくタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランス良く取ることが大切です。

 髪の毛に届く栄養の多くは、食事でとったもの。食事によって血液に含まれる栄養が、頭皮の血管を流れる血液から供給されます。食生活の乱れは、髪の毛の成長を妨げることになります」

――「紫外線を浴びると薄毛になりやすい」といわれる根拠は?

「紫外線が髪の毛に与える悪影響は、次のようなものがあります。

 まず、紫外線を浴びると毛根部の新陳代謝が悪くなり、脱毛につながることがあります。髪の毛は、頭皮の毛根で細胞分裂が行われ成長していきます。毛根が正常に機能しなくなると、薄毛になりやすいのは否めません。

 また、紫外線は髪自体にダメージを与え、パサつきやゴワつきの原因になります。特に4~8月は紫外線が強くなるため、日差しの強い屋外を避けたり、帽子をかぶるなど、紫外線を直接浴びないような対策が有効です」

――「頭皮を叩くと毛が生えてくる」といわれたことがあったが、事実か?

「血行を良くしようとして叩くと、頭皮に傷や炎症が起きて、育毛どころか脱毛につながる可能性があります。ただし、頭皮をマッサージすることで、血流が良くなり栄養が行き渡りやすくなります。頭皮マッサージは、指の腹で優しく行うのがポイント。ただし、血行不良だけが薄毛の原因ではないため、頭皮マッサージはひとつの対策と考えましょう」

 いかがだろうか。薄毛、育毛に関する俗説を検証しつつ、正しい知識を得ることで、必要なケアが見えてきたのではないだろうか。

(協力=大正製薬株式会社)

編集部がオススメする薄毛対策の商品

 薄毛対策のヘアケアアイテムは、さまざまな商品が登場している。その中で、次の2つをオススメしたい。

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リアップX5プラスネオ(第1類医薬品)60ml 7753円(税込)/大正製薬

 発毛成分「ミノキシジル」5%を含む、国内初7種の有効成分を配合した壮年性脱毛症における発毛剤。

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ニューモ 育毛剤 75ml 5500円(税込)/ファーマフーズ

 発毛促進等に効果がある3つの有効成分に加え、タマゴ由来の育毛成分「HGPⓇ」が配合された製品。

「育毛、発毛に王道はナシ」と捉え、焦らずに時間をかけながら、前向きにケアを続けることも大切だ。バランスのとれた良質な食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレスをため過ぎない生活を心がけて、育毛剤などのヘアケアを取り入れて、じっくりと強い髪を育てていこう。

(取材・文=小澤佐知子)

小澤佐知子/美容ライター

小澤佐知子/美容ライター

美容ライター。小学館や学研で外部編集者を経験した後、出産を機にフリーランスに転身。以後、美容ライターとして計50誌以上で取材・執筆を行う。
現在はヘアケア・ヘアデザインなど「髪」に関する記事の企画・構成・取材を中心に活動。雑誌や書籍以外にWebサイトでコラムやインタビューの連載を持つ。東京都内のヘアサロンの「ビジュアル監修アドバイザー」として非常勤役員も務める。

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