スカイピース、「解散ドッキリで金集め」は詐欺になる?ファンからも怒りの声が噴出の画像1
「スカイピース」YouTube動画より

 人気ユーチューバーの「スカイピース」が7月15日、『【解散】スカイピースを5年間愛してくれてありがとう』と題する動画を公開し、解散を宣言。だが、動画の最後に、解散は嘘でドッキリだったと明かすと、ファンから賛否両論が湧きあがり物議を醸している。

 スカイピースは16日現在、チャンネル登録者数は348万人を誇り、トップクラスの人気を誇るユーチューバーだ。動画では、結成から5年という区切りを迎えたこともあり、7月15日をもって解散すると発表。

 この動画では、「スーパーチャット(スパチャ)」と呼ばれる投げ銭機能を使用しており、ファンやユーチューバー仲間などから、スカイピースの2人に対して「今までお疲れ様」「解散してほしくない」などのコメントと共に金銭が寄せられていた。

 だが、動画の終盤になって「スカイピースが、もし解散したら、という動画を作ってみました」と述べ、ドッキリ企画だったことを明かすと、「解散じゃなくて本当によかった」「泣かされた」などと安堵する声があがる一方、「悪質すぎる」「この動画で集めたお金は返すべき」といった怒りの声も続出。

 メンバーのひとりであるテオは、解散のドッキリを企画した理由として、「”終わり”というのは突然くる」ため、ファンにも「物事の終わりを感じてほしかった」と説明。さらに、炎上する可能性があることはわかっていたが、あえて伝えたいことあるとして、「時間は戻せないし、失ったものっていうのは、巻き戻しが効かないことだから。だからこそ、命だったり、時間だったり、大切なものを失う前に行動してほしい」と熱く語った。

 このメッセージを受け、「考えさせられた」「とても深いメッセージだった」などと感動する声もあるが、「いくら訴えたいことがあるとしても、視聴者をだましてお金を集める行為は正当化されない」といった厳しい批判もある。

 その後、ネット上でも賛否両論が入り乱れる事態となっているが、解散を宣言して耳目を集め、ファン心理を突いてお金を集めるやり方に違法性はないのだろうか。山岸純法律事務所代表の山岸純弁護士は、次のように解説する。

「彼らが、『本当は解散するつもりもないのに、解散を伝えれば金銭を交付するだろう』と考え、『金銭をだましとる意図をもって、解散すると虚偽の事実を特定の人に伝えた』ことが立証できないと、残念ながら詐欺罪(刑法246条・10年以下の懲役)は成立しません。

 しかもYouTubeの場合、『視聴者』という不特定多数の人が見ているわけで、特定の人をだまそうとしたわけではないため、詐欺罪が成立する可能性はほぼゼロです。したがって、刑罰を科すのは難しいでしょう」

 では、嘘の解散を信じて投げ銭をしてしまった人たちが、「錯誤」を主張して返金を求めることはできないのだろうか。

「投げ銭は、なんらかの契約でもないので、錯誤だと主張して返金を求めるのも困難です。こういうネタでしか生きていけないユーチューバーは、どうせ自然淘汰されるでしょう。とっとと消えるのを待つだけです」

 炎上状態になったとはいえ、動画は公開からわずか1日で500万回近く再生されている。スカイピースの狙いは当たったといえるのだろう。

(文=編集部)

スカイピース、「解散ドッキリで金集め」は詐欺になる?ファンからも怒りの声が噴出の画像2山岸純/山岸純法律事務所・弁護士

時事ネタや芸能ニュースを、法律という観点からわかりやすく解説することを目指し、日々研鑽を重ね、各種メディアで活躍している。芸能などのニュースに関して、テレビやラジオなど各種メディアに多数出演。また、企業向け労務問題、民泊ビジネス、PTA関連問題など、注目度の高いセミナーにて講師を務める。労務関連の書籍では、寄せられる質問に対する回答・解説を定期的に行っている。現在、神谷町にオフィスを構え、企業法務、交通事故問題、離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験をさまざまな方面で活かしている。

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