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海老蔵、娘の断食をノンキに自慢…「とても危険」医師が強く警告

文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
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海老蔵、娘の断食をノンキに自慢
市川海老蔵のInstagramより

 歌舞伎俳優の市川海老蔵が、「36時間ぶりの食べものですって、すごい意思!!尊敬します。私、麗禾を」と綴ったブログが炎上している。

 10歳の長女・麗禾ちゃんが、水だけを飲む断食を行ったというのだ。ネット上には、「危険」「虐待に当たるのでは」と懸念する声も上がっている。子供が断食するという行為にはどんな危険があるのか、有明こどもクリニック豊洲院院長の村上典子医師に聞いた。

 6月初旬に海老蔵自身が断食を行ったことはネットニュース等でも話題となり、子供たちが真似をしたくなる気持ちもわからなくはないが、村上医師は、子供の断食は危険だと断言する。

「大人でも断食をすれば容易に低血糖を起こし、脳のエネルギー源であるブドウ糖が不足します。人間の体のなかで脳がもっとも多くのエネルギーを必要とします。食事を摂らなければ、脳に必要なエネルギーが入ってこないという状況になり、脳が呼吸できなくなってしまいます。そういった状況から脳を守るため、肝臓に蓄えた糖が使用され、さらに脂肪や筋肉を分解し、体の中でエネルギーをつくり出して脳へ送られます」(村上医師)

 大人の場合は、肝臓に蓄える糖や脂肪、筋肉も多く、海老蔵が断食をしたように飢餓時に体の中でブドウ糖をつくり出すことができるが、子供の場合、そうはいかない。

「子供の体は大人とは大きく異なり、肝臓の機能も未熟ですし、脂肪や筋肉も大人に比べて少ないため、体の中でつくり出すことができるエネルギーはわずかです。子供が断食をすれば、低血糖になる過程が非常に早く、半日、食事を摂らないだけで低血糖になり、吐き気や意識が朦朧となることもあります。断食は子供にとって危険です」(同)

 低血糖の症状はさまざまであり、動悸や冷や汗、眠気、頭痛などの身体的症状とイライラ感、不安、集中力がなくなる、ボーッとするなどの精神的症状などが現れ、さらに症状が進むと目の焦点が合わない、呂律が回らない、痙攣、意識低下など重症化し、最悪の場合、昏睡状態となり、命を脅かすこともある。海老蔵は、娘が断食したことを喜んでいるようだが、親としてはむしろ断食を止めるべきだろう。

「海老蔵さんの娘さんが、36時間の断食で何事もなかったのは幸いだったと思います。小児科医としては、今後、再び断食を行うことがないよう願います」(同)

 子供の安全を守ることは親の責任であり、安易に大人の真似事をさせるのは危険を孕んでいることを再認識すべきだろう。

(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

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