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かつや系列の異色専門店「東京とろろそば」の実力は?予想以上に高級感が漂う店内

文=清談社
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「東京とろろそば」五反田店の外観
「東京とろろそば」五反田店の外観

 とんかつ専門店「かつや」などを運営するアークランドサービスホールディングスが手がける新業態「東京とろろそば」。さっぱり食べられてスタミナもつきそうな、働き盛りの男性には訴求力の高い「とろろそば」をメインにするという、ありそうでなかった専門店だ。現在は五反田、横浜、相模大野の3店舗を展開している。実際に店舗に行き、その実力を探ってみた。

予想以上に高級感が漂う店内

 安くてボリュームたっぷりのとんかつ専門店「かつや」をはじめ、からあげ専門店「からやま」「東京たらこスパゲティ」「純豆腐 中山豆腐店」など18ブランドの飲食店を運営するアークランドサービスホールディングスが2020年8月に立ち上げたのが、「東京とろろそば」だ。

 同社のホームページによると、「サッと入ってサッと食べて、サッと帰る」というコンセプトのようで、忙しいビジネスパーソン向けの業態となっている。

 実際に調査するべく向かったのは、1号店である五反田店。五反田駅東口から徒歩2分ほどで、和風の店構えが見えてくる。食券制ではなく席についてから注文するスタイルで、入店するとスタッフに席へ案内された。店内はカウンター28席のみだが、広々としており、シックな壁紙や盆栽のような植物などが配されたインテリアは、予想以上に高級感が漂う。老若男女問わず、入りやすい店構えと内装になっている。

 今回は夕方17時頃とアイドルタイムの入店だったためか、先客が2人と少なく、やや静かな雰囲気。ひとりはサラリーマン風の男性、もうひとりはOL風の女性で、仕事の合間に寄ったという感じだ。

 カウンター席につき、早速メニュー表を拝見。メニュー表はペラペラしたものではなく、表紙にきちんと布地が張られた立派なもので、ここからも大衆的な安っぽい雰囲気の飲食店とは一線を画そうとする気概が感じられる。

かつや系列の異色専門店「東京とろろそば」の実力は?予想以上に高級感が漂う店内の画像2

 お目当ては「とろろそば」だが、温かいメニューは、肉とろろそば、カレーとろろそば、坦坦つけそば、とろろそば。冷たいメニューは、冷ぶっかけ肉とろろそば、冷ぶっかけ納豆とろろそば、冷ぶっかけ辛ネギそば、冷ぶっかけそばと、バリエーションが多い。いずれも、そばをうどんに変えることも可能だ。

 ちなみに、きつね、たぬき、月見など、とろろが入ってないメニューもあるので、万が一とろろが苦手な人でも心配ない。

 麺類の他にご飯ものも用意されており、中でも、とろろと豚肉を載せた「肉とろろ麦めし」が大きく紹介されている。他には「ダブルハンバーグ」や「中落ちカルビ」などがあり、このあたりのラインナップは「かつや」を展開するアークランドらしい肉々しさがある。

 また、「キムチとろろ麦めし」など彩りが良い女性向けメニューもあり、おじさんだけでなく、大戸屋に行くようなヘルシー志向の女性客獲得も目指しているのだろう。

こだわりの醤油が香る「肉とろろそば」

 そんな多様なメニューの中から頼んだのは、人気商品だという「温かい肉とろろそば」。注文から5分ほどで着丼という絶妙な配膳タイミングだったので、調理時間からはそばが茹でおきかどうかは判別できなかった。盛り付け、器、お盆ともにきれいにまとまっており、不潔さ、乱雑さなどは皆無である。

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 肉とろろそばには、青ネギ、とろろ、煮豚、卵の黄身が乗っている。とろろは意外にもすりおろしではなく千切り状になっており、他のメニューも基本的にはこの千切りとろろを使っているようだ。

 まず、澄んだ茶色の出汁をすくって飲んでみると、濃い醤油の味わいの奥に鶏ガラの風味を感じる。聞けば、醤油の銘醸地である千葉県銚子市で丁寧に熟成された濃口醤油を使用しているそうで、一口目から食欲がそそられる味わいだ。

 そばは細めだが、コシは強めで歯ごたえもあり、そばの風味も感じられるので、及第点といったところか。粉っぽくもなく、かといってやわらかすぎない茹で加減なので、スッと食べやすい。

 また、細切りになっているとろろとそばの相性は抜群で、スルスルと喉を通る。すりおろしではないゆえにシャキシャキ感も残っており、食感にアクセントが加わるのも楽しみのひとつだ。

かつや系列の異色専門店「東京とろろそば」の実力は?予想以上に高級感が漂う店内の画像4かつや系列の異色専門店「東京とろろそば」の実力は?予想以上に高級感が漂う店内の画像5

店内で煮込む煮豚は肉々しい食感

 毎日店舗で煮込んでいるという煮豚は、濃いめの甘しょっぱい味付け。ただ、豚の角煮ほどのホロホロ感はなく、どちらかといえばドライな食感で肉々しい。

 店舗ホームページによれば、あえてトロトロに煮込まず、肉らしさを残したとのことだが、ここは好き嫌いが分かれるところだろう。筆者としてはトロトロの方が好みなのだが、とろろの喉越しのよさと食感がかぶらないよう、肉々しさを残しているのかもしれない。

 半分ほど食べ終わったところで、黄身を割って混ぜる。コクとクリーミーさが増加し、肉とそば、とろろとの相性もバッチリで、さらに箸が進む。

 卵も合わさり、こってりめに偏ったときに存在感を増してくるのは青ネギだ。清涼感とみずみずしさ、食感がアクセントになり、最後まで飽きずに食べることができた。

 無料サービス期間中だったので大盛にしたこともあるが、見た目以上にボリューミーで、しっかり満腹になることができた。さらにガッツリ食べたい人は、サイドメニューとして肉系おかずや麦めしなどを頼んでもいいかもしれない。

 ただし、普通盛りの肉とろろそばの価格は869円(税込)なので、“サッと食べる”ランチにしては多少高いと感じるかもしれない。味や店内の雰囲気などは高級感もあるので、時間のあるときにゆっくりとそばを手繰る、という楽しみ方もいいだろう。

 とはいえ、他にはない細切りのとろろと奥深い出汁の味わいはクセになりそうな魅力がある。暑い時期の定番としてだけでなく、季節ごとのとろろそばの魅力を提案できるようになれば、今後さらに出店が進みそうだ。

清談社

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せいだんしゃ/紙媒体、WEBメディアの企画、編集、原稿執筆などを手がける編集プロダクション。特徴はオフィスに猫が4匹いること。
株式会社清談社

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