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林總「かみくだいてご説明しますと……」

シャープ、その本当の危機 孕む暴走の芽 恐らく再建は難しいといえる3つの異常点

文=林總/公認会計士、ビジネスコンサルタント

(2)については、固定費とは一般的に「贅肉」だと捉えられがちだが、固定費の本質はビジネスプロセスの維持費である。したがって、固定費削減では企業を生き返らすほどの付加価値はもたらされないし、さんざんリストラした挙げ句のさらなるリストラは収益力低下のリスクが大きい。

 そして(3)だが、これまでと同じ経営トップで、「組織・ガバナンスの再編・強化」が可能なのだろうか、疑問が残る。

「いかなる分野を優先すべきか、初めにいかなる分野を削減し、かつどこまで削減すべきか、初めにいかなる分野を拡大し、かつどこまで拡大するかについて検討したうえで、意思決定を行う必要がある。そして、近い将来の成果のために遠い将来の成果についていかなるリスクを冒し、遠い将来の成果のために近い将来についていかなる犠牲を払うかを十分理解したうえで、意思決定を行わなければならない」(『現代の経営』<ドラッカー/ダイヤモンド社>)

 公表された事業計画は、経営者が自らの命をかけて徹底的に練られたものだろうか。もしそうでなければ、名門シャープの復活は厳しいといわざるを得ない。  
(文=林總/公認会計士、ビジネスコンサルタント)

林總/公認会計士、経営コンサルタント、会計専門職大学院教員

林總/公認会計士、経営コンサルタント、会計専門職大学院教員

中央大学商学部卒業。外資系会計事務所、監査法人を経て開業。現在、株式会社林總アソシエイツ代表、公認会計士林總事務所代表、日本原価計算学会会員。国内外の企業に対して、ビジネスコンサルティング、ITを活用した管理会計システムの設計導入コンサルティング、講演活動等を行っている。

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