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工藤貴宏「幸せになるためのクルマ選び」

トヨタ「スープラ」発売直後に納車半年待ちに…“儲からない”スポーツカーをつくり続ける理由

文=工藤貴宏/モータージャーナリスト

スポーツカー生産の大きな意味

 売上高30兆円、純利益1兆8828億円(18年度実績)を誇る巨大自動車メーカーのトヨタにとって、スポーツカーが直接的に利益を引き上げる効果は薄い。

 しかし、単純に「儲かる/儲からない」ではなく、技術力を高めて商品の競争力をつけるとともに、スポーツカーによってクルマ好きにも一目置かれるブランドになることには、大きな意味があるのだ。

 ところで、「メルセデス・ベンツが『SLC』の販売を終了し、アウディは『TT』の次期型を設定しない見込み」と書いたが、前者は「AMG GT」、後者は「R8」という、さらに高価で高性能なスポーツカーを用意し、ブランドのイメージリーダーに据えている。ブランドの地位を高めるためにはスポーツカーが必要だということを、ドイツの自動車メーカーはしっかり理解している。それが自動車文化であり、他社に差をつけ、潜在的にブランドの価値を押し上げるイメージの訴求には欠かせないからだ。

(文=工藤貴宏/モータージャーナリスト)

工藤貴宏/モータージャーナリスト

工藤貴宏/モータージャーナリスト

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆中。心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。
執筆媒体はモーターファン別冊新車速報シリーズ(使い勝手チェック及びバイヤーズガイド担当)、ガルヴィ(新車紹介記事担当)、カーグッズマガジン、RESPONSE、&GP、goo-net.com、gazoo.com、くるまのニュース、clicccarなど。国産車を中心に新車から中古車まで幅広く原稿を手掛ける。
本当はスポーツカーが好きだけど、ミニバンや軽自動車も得意。
現在の愛車は10年乗ったポルシェ・ボクスターSから乗り換えたルノー・ルーテシアR.S.とマツダ・プレマシー。

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