日産ノート、ついにトヨタ・プリウスに首位奪取される…西川社長の不正報酬問題も販売に悪影響か
ただし、ノートは3月に約1.6万台を販売しているが、その反動で4月は7405台、5月は8058台と目立って販売台数を落としている。新年度になったばかりであること、ゴールデンウィークがあったので稼働日数が少なかったなどの理由を挙げることができるが、3月実績の半分まで落ち込むのは3月の無理な増販による反動減もあったといえよう。
9月も無理してプリウスに勝利したとしても、10月以降の反動は覚悟しなければならない。しかも、10月からは消費税率が10%となるので、9月に無理して販売実績を積み増すのはかなりリスクが高い。例年のように無理な積み増しをすれば、今年は2019事業年度末セール(2020年2月・3月)まで悪影響を引きずりかねないだろう。一方のプリウスはマイナーチェンジ以降のバックオーダーを消化しきっていない状況なので、ノートよりは無理する必要がない。その分、プリウスが有利ともいえよう。
現状の両車の台数差を見れば、2019事業年度締め上半期登録車販売ナンバー1は、よほど9月に販売台数を落ち込ませない限りはプリウスでほぼ決まりとしていいかもしれない。
混乱する日産、西川社長が退任
日産ではここのところ不祥事が続いており、9月16日には西川廣人社長が不当報酬の問題の責任を取って退任するなど、混乱はますます深まっている。このような一連のメーカーの不祥事も、ノートをはじめとする日産車の国内販売にジャブのように効いてきているのは間違いないだろう。
軽自動車は今のところホンダ「N-BOX」が不動の地位を築いており、結果的に登録車を含めた販売台数ランキング、つまり日本一売れている乗用車が2019事業年度締め上半期でもN-BOXになるのが確定的となっている。そんななか、登録車はプリウスとノートの戦いに、たまにシエンタなどがからんできたりして、今後も興味深い状況が続いていきそうだ。
(文=小林敦志/フリー編集記者)