消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
NEW
2023.06.21 10:50
2019.09.30 07:30
桶谷 功「インサイト思考 ~人の気持ちをひもとくマーケティング」
日産ノートe-POWER、なぜ1位に?「ハイブリッド」と言わず「革新的なEV」浸透に成功
同じ技術でも、生かすも殺すも、打ち出し方しだい
e-POWERのケースでもわかるように、同じ技術でも、人がどう受け止めるか、人がそこにメリットを感じるかどうか、という視点で打ち出し方を考える必要があります。同じ技術であっても、もしハイブリッドと打ち出していたら、人々はどういう印象をもつだろうか、と想像してみる。「電気自動車の新しいカタチ」と位置づけることで、「先進的なイメージ」を生み出し、日産の企業イメージと結びつけ、「電気自動車の走行距離の短さへの人々の不安」を解消し、さらには「電気自動車ならではのドライビングフィール体験」を提供することにも成功した。
このように、ある技術が生まれたとき、その技術からどのようなシナリオが描けるか、それは人々にとってどういう意味があるのかを考える。それが、商品をヒットさせイノベーションを起こすためには不可欠なのです。
開発者がいくら画期的な技術だと思っても、人々に影響を与えず受け入れられなければ、そこからイノベーションは起きません。逆に、開発者の間では革新的ではない既存技術であっても、人々の生活を変えるような、人々にとって意味のある打ち出し方ができれば、それはイノベーションになりえます。
人々がどんな不安や不満を持ち、どんな打ち出し方をすれば、人々はどう感じるのか、それを読み解くのが、「インサイト」と呼んでいる考え方です。
技術が、生きるも死ぬも、いかにインサイトを捉えられるかにかかっているのです。
(文=桶谷功/株式会社インサイト代表取締役)
Business news pick up
RANKING
23:30更新関連記事
2024.11.21 18:05
2024.11.21 18:00
2024.11.20 22:21
2024.11.20 20:41