消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
さらにもうひとつ、好調な業績に大きな影を落とす可能性を秘めているのが、安倍晋三首相の発言によって、総務省が携帯電話料金引き下げに向けた有識者会議を進めていること。その議論の結果によっては、なんらかのかたちで料金を値下げしたり、あまり通話や通信をしない人向けの料金を用意する必要がでてくる可能性があるのだ。
先にも触れた通り、ドコモは昨年の新料金プラン導入直後にデータSパックを選ぶ人が続出したことで業績を大きく落とし、現在はその影響からようやく回復しつつある。それだけに、議論の結果によってデータ通信が小容量のプランやサービスを用意しなければならなくなることは、通信料収入が再び大きく落ちることにもつながりかねないのだ。
通信事業以外での業績拡大で再び成長へとつなげつつあるドコモだが、やはり真に回復したといわれるためには、本業である通信事業の回復が必須条件だ。同社だけではどうにもできない外部要因もあるが、いかにそうした波を乗り越えられるかが、今後の業績を見る上で大きなポイントになるといえるだろう。
(文=佐野正弘/ITライター)
セグメント別の収益を見ると、通信事業の営業収益はいまだマイナスを記録しており、完全回復には至っていないことがわかる
Business news pick up
RANKING
17:30更新関連記事
2024.11.23 19:47
2024.11.23 17:00
2024.11.23 16:55
2024.11.23 12:00