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2023.10.17 23:50
2015.11.10 00:10
有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」
なぜマックの不祥事対応は裏目に出たのか? 失墜したブランド回復の難しさ
「まずは記者会見ですが、小手先の対応で言い逃れをしたり、言い訳をしたりするのはよくありません。食肉偽装問題の際の日本マクドナルド社長のカサノバ氏がこの例にあげられますが、ちょっとした不適切な表現があるだけで反感や矛盾を世間に晒してしまうことになり、むしろマスコミにネタを提供した格好になってしまう。謝罪を明確に示したうえで事態を真摯に受け入れて、その上でどう対応するのかを明言したほうが、はるかに社会的な印象は良いのです」
しかし、記者会見をうまく乗り越えたとしても企業イメージが回復するものではない。企業としては一刻も早く経営を通常状態に戻したいところだろう。
「広告業界では、信頼を回復するためには不祥事について報道されたトータル時間の7倍の時間をかけて、自社のプラス情報をCMなどで告知する必要があると考えられています。だからといって、不祥事直後に短期間で一気にCMを流すのは逆効果。信頼回復に特効薬は存在しない、ということを肝に銘じておかないと行動が裏目に出てしまうでしょう」(同)
会社も人間関係と一緒で、一度崩れてしまった信頼を取り戻すのは簡単なことではない。もちろん、不祥事は起こさないに越したことはないが、もし起きてしまったら焦らずに時間とお金をかけてゆっくりと丁寧に社会貢献を重ねていくことが、リカバリーできる唯一の方法といってもよさそうだ。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio)
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