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年間5億本売れるガリガリ君、パリパリで10年トップのチョコモナカ…裏に秘密の企業努力!

文=西山大樹/清談社

さまざまな仕掛けで大衆の心をつかんだ「ガリガリ君」

 雪見だいふくと同じ81年にその歴史をスタートさせた、ガリガリ君。00年に年間1億本を突破したのを皮切りに、08年には2億5500万本、そして今や年間5億本を売る大ヒットアイスである。しかし、そこに至る道のりには苦労も多く、当然ながらさまざまな試行錯誤があったという。

 そもそも、ガリガリ君が登場した当時、アイスは駄菓子屋を中心に展開するのが常だった。その上、駄菓子屋はすでに大手メーカーに牛耳られており、つけ入る隙はほとんどなかったという。そこで、ライバルの少ないコンビニエンスストアに活路を見いだしたところ、コンビニ業界の急成長と共に、ガリガリ君の売り上げも伸びていったのだ。

 加えて、ガリガリ君の成功の秘訣は、そこからさらなる試行錯誤に励んだことだ。まず、赤城乳業は消費者がガリガリ君に抱くイメージを測るため、99年に全国で数万人規模の大アンケートを実施した。

 冷菓に詳しいコンビニ関係者によると、「この時のアンケートでは、多くの女性からイガグリ頭の商品キャラクターに対して『不快』『汗臭そう』との回答が寄せられ、赤城乳業の社員たちは相当ショックを受けた」という。

 そこで取りかかったのは、まずキャラデザインをCGに変更して「汗臭さ」を払拭することだ。さらに、キャッチーな主題歌もつくり、00年には大々的にテレビCMも開始した。

 この戦略が実り、それまで関東圏がメインだったガリガリ君の知名度は全国に広がり、今日の快進撃が始まることとなる。好調でもけっしておごらず、真摯な気持ちを持ち続けたことが、ガリガリ君が長年愛される理由なのだ。

 ここまで見てきたように、数十年のヒットを続けるロングセラーアイスの裏には、それぞれのドラマがある。今後、アイスをなにげなく口に運ぶ際、秘められたドラマを少しでも思い起こしてみれば、一味違ったおいしさを噛みしめることができるかもしれない。
(文=西山大樹/清談社)

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