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中沢光昭「路地裏の経営雑学」

後継者問題が社会的に深刻化!多くの中小企業が存亡の危機…事業承継に悩んだらこうすべき(前編)

文=中沢光昭/経営コンサルタント
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 また、投資した会社の業績を改善する段階においても、実はその大変さは企業規模によって大きくは変わりません。なぜなら、会社の抱える課題というのはどこも共通しがちだからです。よって、同じような取り組みに挑戦するのであれば、規模が大きいほうがリターンが大きい、つまり効率が良いのです。そして、同じような手間をかけて投資をして、企業価値を上げることに成功し売却することで利益を出す場合においては、元手が大きいほどリターンも大きくなります。もっとも、失敗した場合はそのダメージも大きくなることはいうまでもありません。

 仲介会社にとっても同様に、投資先企業の規模の違いと手間はあまり関係ありません。そして、取引・売買金額に比例した成功報酬が設定されることが多いため、同じ手間がかかるのであれば、どうせならば大企業が絡むM&Aを手掛けたほうが報酬も大きくなりやすいので、大企業案件を優先させるのは当然です。仮に大手仲介・アドバイザー会社で経験を積んでコネクションをつくった後に独立しようと考えた場合にも、大口取引を狙うのは自然な流れです。

 では、会社や事業を売りたいと中小企業が考えた場合に、仲介会社や買い手候補の企業群からは見放されてしまうのでしょうか。今回はそうなりかねないメカニズムについて説明しましたが、次回はそんな中小企業M&Aにおいて最近起こっている変化について述べていきたいと思います。
(文=中沢光昭/経営コンサルタント)

中沢光昭/株式会社リヴァイタライゼーション代表

中沢光昭/株式会社リヴァイタライゼーション代表

企業再生コンサルタント兼プロ経営者。
東京大学大学院工学研究科を修了後、経営コンサルティング会社、投資ファンドで落下傘経営者としての企業再生に従事したのち、上場企業子会社代表を経て独立。雇われ経営者としてのべ15期以上全うし、業績を悪化させたのは1期のみ。
事業承継問題を抱えた事業会社を譲受け保有しつつ、企業再生とM&Aをメインとしたコンサルティングおよび課題内容・必要に応じて半常勤による直接運営・雇われ経営者も行う。シードステージのベンチャー企業への出資も行う。
株式会社リヴァイタライゼーション 代表・中沢光昭のプロフィール

Twitter:@mitsu_nakazawa

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