キッザニアがヤバすぎる!90種も職業体験で子ども狂喜乱舞&劇的変化…1千万人が来場
キッザニア東京は海外拠点の第1号で、きっかけとなったのは日本ダブリュー・ディー・アイ(現WDI)元社長で現KCJ GROUP社長の住谷栄之資氏の問題意識だった。
「前職では社員研修を担当する機会が多く、業務に関する知識やスキルを教えることはできても、『自ら問題意識を持ち、本当のホスピタリティを持って他人と接することを社内研修で教えるのは難しい』と感じていました。言われたことはこなすけど、自ら進んでやろうとしない若者が増えた風潮も気になっていました」(住谷氏)
社長退任後もそうした問題意識を持っていたところ、米国人の知人から「メキシコに面白い施設がある」とキッザニアの存在を聞いた。そこで当時4歳と7歳だった孫を連れて現地に行き体験させたところ、スペイン語がわからないのに目を輝かせて楽しんだという。「これを日本に導入して職業体験に一石を投じたい」と行動を起こし、実現させたのだ。
早い時期からの職業体験効果が、今度どうなるか
同社を取材する直前、毎年恒例の「大人になったらなりたいもの」(第一生命保険調べ)の最新調査が発表された。結果は男の子の1位は6年連続でサッカー選手、2位は野球選手、女の子の1位は19年連続で食べ物屋さんだった。男の子では電車・バス・車の運転士、医師、消防士・救急隊などもランクインし、女の子は看護師、お店屋さん、デザイナーなどもランクインしている。
サッカー選手や野球選手、食べ物屋さんは、子ども時代から地域クラブや自宅での手伝いなどで体験できるが、多くの職業は体験することが難しい。キッザニアのような職業体験型施設はそうしたニーズに対応できる一面もある。
新たな取り組みも始まった。昨年には同社と東京大学大学院教育学研究科(牧野篤教授)が共同で「キッザニア効果」を調査した。調査前に同教授は、「仕事体験をすることで、子どもの自己肯定感が高まるだろう」と仮説を立てた。実際にはそれもあったが、「親子(保護者)関係に強く作用していた」という。
見守る親や保護者が、子どもと目が合うと相づちを打ったり、終了後に「よくがんばったね」とほめるといった効果だ。親や保護者は子どもの仕事体験を通して、その成長を感じるのだそうだ。