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とはいえ、映画興行は水物である。ヒットするかどうかわからない上に、有効期限がある前売り券という商品は、買い取るショップ側にとってもリスクが大きいはずだ。しかし、繁華街のチケットショップには、いつ見ても各種映画のチケットが整然と並んでいる。これは、なぜだろうか。
「実は、映画関係業者が委託というかたちでチケットショップに置いてもらっているものもあります。委託なので、ショップ側にはリスクがない。業者側も、観客が増える可能性がある限りは券を流通させておきたい。お互いに利益のある関係性なのです」(同)
実際のところ、日本の映画料金はさほど高くない。そして、その料金を下支えしているのは、このような持ちつ持たれつで、いかにも日本的な業界構造のおかげなのだ。
(文=ソマリキヨシロウ/清談社)
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