体がかゆくなるベッド
ケチなホストでいえば、一見寝心地が良さそうなベッドに見えて、実際に布団に入ってみると全身かゆくなったことがあった。
これは、外国人に人気の京都にあるエアビーでの出来事だ。ホームページで、部屋の予約状況を見たとき、筆者が予約した前後はほぼ予約で埋まっていた。外国人が多く利用するとのことで、もしかしたらどこかの国から旅行客について入ってきたダニなどが増殖しているのかもしれない。
旅行業関係者は、「エアビーでは、ベッドや布団などのリネン系に気が回らないホストが多く見受けられます。しかし、そうしたエアビーはいずれ淘汰されていくのではないかと見ています」という。
この時は、別の部屋にある皮革のソファーをベッド代わりにして寝たが、ビジネスホテルのようにクレームを言えばすぐに対応してくれるようなホスピタリティは欠けているエアビー物件もあるのが実情だ。
そもそもエアビーは、保健所の検査を経ていない無許可営業のケースが多く、こういったリスクもあるのだ。
URでカネ儲け
こちらはコワ~いというよりも、おいしい話。なんと、UR(独立行政法人都市再生機構)の賃貸物件を使って、エアビーをしているホストがいるのだ。URは「礼金、手数料、更新料、保証料不要」が人気の賃貸住宅だ。
筆者が泊まった物件は、東京駅にほど近い人気エリア。築地にも近いため、外国人の人気も高い。都会の生活を楽しみたい人にはうってつけで、1泊1万5000円と少々高めだ。ホストからしてみれば、ひと月に20日間稼動として30万円の収入だ。ホストはこの物件をURから借りており、家賃は月十数万円。その差15万円程度が利益になるわけで、実においしい。
もちろん、URはまた貸しは禁止だ。しかし、URのホームページを見ると、「社宅利用可」「シェアリング利用可」「セカンドハウス利用可」などと謳っており、事実上野放し状態なのがうかがい知れる。URも国民の住環境の向上という政策目的につくられたものの、建築したマンションは空き物件ばかりで有効利用できていないのが現状だ。
筆者が泊まったエアビーの中には、ホテル以上に居心地の良い物件もあった。ホテルマンなどの本業のかたわら、自らの理想のホテルを一室だけつくり出し、エアビー物件として貸し出しているホストもいる。
URは、借り手がいないのならば、いっそのことまた貸しを公に許可して、外国人向けの大規模なエアビーホテルに転用したらどうだろうか。
(文=椎名民生)