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07年12月期には、売り上げ48億5280万円を突破。社員は175人を超え、海外拠点も12カ所に拡大した。世界中で製造されるノートパソコンの3分1がSAKIブランドの検査ロボットを通過するといわれるようになった。無借金経営で研究開発型企業の花形だった。
04年に日経ニューオフィス賞推進賞、日刊工業新聞の最優秀経営者賞、05年に東京商工会議所の勇気ある経営大賞グランプリ、06年に日経WOMANウーマン・オブ・ザ・イヤーのリーダー部門2位にランクインするなど、女性起業家として注目を浴びるようになる。
だが08年秋、米投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻がもたらしたリーマン・ショックで事態が急変した。世界経済は一気に萎む。海外の取引が次々とキャンセルされ、08年12月期の最終損益は25億2601万円の赤字に転落。09年同期は売り上げが15億7936万円に激減し、2期連続の赤字となった。
11年同期は売上高24億8479万円をあげたが、子会社にした独マイクロサイエンステクノロジーの清算に伴い出資金を損失処理した結果、12億7991万円の特別損失を計上、当期純損失は12億217万円の赤字に沈んだ。
打開策として11年1月、島津製作所に1億円の第三者割当増資を実施。スマートフォンなどの生産ラインに組み込むX線検査装置を共同で開発した。この次世代ロボットが新たな生命線だが「海外勢が性能より価格で勝負する製品を相次いで出してきた。競争は激しくなるばかりでX線検査装置が独創的な付加価値の高い製品として浸透するかどうかは未知数」(ハイテクベンチャー企業の若手経営者)だという。
社長の秋山咲恵氏は競争力会議の民間議員としてどれだけの力を発揮できるのだろうか。ベンチャー起業家とはいえ巨額な赤字を出している経営者に、安倍首相はどんな「競争力」を期待するのだろうか。再建途上にあるサキコーポレーションの秋山社長が選ばれたのは大きな謎である。誰が推薦人だったのか。
(文=編集部)
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