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山田修「間違いだらけのビジネス戦略」

鴻海、早くもシャープを子会社扱いでやりたい放題…日産は三菱自を「植民地化」

文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント

 華人型経営に見られる家族型経営が織り成す別の性格は、「家族になれなければドライな関係」というものだ。そのため、東南アジアでの華人型企業での年間離職率は30%を超えることも珍しくない。3年たつと幹部以外皆違う人という世界だ。ゴウ氏にとって、シャープはまだ「家族として扱えない」段階だ。だから高橋氏も躊躇なく更迭された。この先、シャープへの出資が完了して同社が名実ともに鴻海の手中となったら、シャープはどのように発展、あるいは切り刻まれるのだろうか。

 三菱自を傘下に入れた日産のゴーン氏、念願のシャープを手中にしようとしている鴻海のゴウ氏。両社それぞれ新しいオーナーシップのもと、どのような変容や発展を遂げていくのだろうか。しばらくは目が離せない。
(文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント)

※ 本連載記事が『間違いだらけのビジネス戦略』(クロスメディアパブリッシング/山田修)として発売中です。

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

経営コンサルタント、MBA経営代表取締役。20年以上にわたり外資4社及び日系2社で社長を歴任。業態・規模にかかわらず、不調業績をすべて回復させ「企業再生経営者」と評される。実践的な経営戦略の立案指導が専門。「戦略カードとシナリオ・ライティング」で各自が戦略を創る「経営者ブートキャンプ第12期」が10月より開講。1949年生まれ。学習院大学修士。米国サンダーバードMBA、元同校准教授・日本同窓会長。法政大学博士課程(経営学)。国際経営戦略研究学会員。著書に 『本当に使える戦略の立て方 5つのステップ』、『本当に使える経営戦略・使えない経営戦略』(共にぱる出版)、『あなたの会社は部長がつぶす!』(フォレスト出版)、『MBA社長の実践 社会人勉強心得帖』(プレジデント社)、『MBA社長の「ロジカル・マネジメント」-私の方法』(講談社)ほか多数。
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