ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 飲食店、原材料費はたった30%?  > 2ページ目
NEW
江間正和「飲食業界を“数字と現場”で科学する」

飲食店、価格の材料費率はたった30%? 百円均一居酒屋でも十分儲かるカラクリ

文=江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部代表

1皿40円でメニューはつくれるのか?

 そこで今回は人件費を削ることを想定し、「立ち飲みスタイル、セルフサービス」のお店を想定してみます。

 1皿40円でメニューはつくれるのでしょうか? 

 近所の大きめのスーパーに行ってみましょう。食品には「100グラム当たり98円で200グラムだから196円」というような表示がされていると思います。今回は「100グラム当たりいくらか?」が大事です。そこで、100グラム100円以下で買えるものを探してみましょう。

 業務用スーパーや下町の安いスーパー以外の普通の店舗にも、100グラム100円以下で買えるものが結構あることに気づくはずです。鶏肉、豚肉、牛肉の一部、野菜の一部や、魚介類の一部、季節のもの、お米やパスタなど、いろいろあります。これらを使ってメニューを組み立てて調理し、100グラム100円以下の材料を意識すれば、平均すると100グラム80円くらいで1品ができます。

 次は「ポーション」。提供する料理の1皿の量ですが、50グラム/皿にしましょう。売値100円ですので小鉢や小皿料理くらいのサイズです。もちろん、原価=材料費によって、多少ずらすのは「売り方」のテクニックです。あくまで50グラム/皿は基準線・目安として。

 ちなみにみなさんが普段食べているランチは、平均300~350グラムくらい(メインのおかずは150~200グラム設定、付け合わせやライス、サラダで150グラムくらい)ですので、50グラム/皿平均なら、6~7品食べれば食事としても利用できます。これで、600~700円の支払いのお店です。好きなものを好きなだけの「回転寿司」にもイメージは近いです。

 そして、ドリンクですが、これも「1杯40円」のコストでメニューとして何が用意できるかを考えます。オペレーション上、できるだけ同じグラスを使いたいのですが、生ビールのような原価が高いものは、グラスのサイズを変えたり、生ビールではなく発泡酒を使ったりします。生ビールだけ売値を+50円や+100円にするかもしれません。BOX型ワイン(3リットル)や日本酒(純米酒2リットル)の安いものは、スーパーでも100ccあたり40~50円くらいで売っています。半合(90cc)100円売りだと、原価率40%くらいの目安となります。

 ハイボールをつくるウイスキーは業務なので大きいサイズの仕入をしたとして、4リットル4000円くらいで買えることでしょう(ブラックニッカやサントリーウイスキーレッド等)。この場合、1円/ccですから、30ccで約30円/杯です。ソーダで割って、基準線である1杯約40円。焼酎・サワーもこの範疇となります。ソフトドリンクなんて大歓迎商品です。

江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部(株)代表

江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部(株)代表

東京未来倶楽部(株)代表
5年間大手信託銀行のファンドマネージャーとして勤務後、1998年独立。14年間、夜は直営店(新宿20坪30席)ダイニングバーの現場に出続けながら、昼間、プロデューサー・コンサル業。コンサル先の増加と好業績先の次の展開のため、2012年5月からプロデューサー・コンサル業に専念。
「数字(経営者側)と現場(スタッフ・オペレーション)の融合」「各種アイデア・提案」が得意。また、現場とのメニュー開発等、自称<「実践」料理研究家>。
・著書:『ランチは儲からない、飲み放題は儲かる』『とりあえず生!が儲かるワケ』『ド素人OLが飲食店を開業しちゃダメですか?』

Instagram:@masakazuema

飲食店、価格の材料費率はたった30%? 百円均一居酒屋でも十分儲かるカラクリのページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!