トヨタのUber提携にタクシー業界から批判噴出…全タクシー車両トヨタ化計画に暗雲

迫られる二者択一

 こうした大事な時期にトヨタにとって重要な顧客であるタクシー事業者との関係悪化はなんとしても避けたい。そこで全国のタクシー事業者の首脳が集まる場で「誤解」と説いて回った。

 ただ、タクシー事業者からは「協業は海外だけといっても、海外の同業者を苦しめるのに手を貸す自動車メーカーに好感を持てるはずがない」(業界筋)と批判する声もある。しかも、トヨタは国内で強い影響力を持つだけに、規制緩和で配車サービスが本格的に解禁となれば、トヨタが「後ろで糸をひいた」と思われるのは確実だ。

 米GM(ゼネラルモーターズ)や独フォルクスワーゲン(VW)、ダイムラーなど、世界の大手自動車メーカーが相次いで配車サービス会社と提携している。自動車メーカーとしても配車サービスなどの新サービスは無視できないほど、存在感が増しており、今後も市場の成長が見込まれるためだ。実際、トヨタとウーバーの提携は、「規制に守られたタクシー業界」対「新興の配車サービス・自動車メーカー」の構図とされる。

 次世代タクシーを視野に国内のタクシー業者との融和か、それとも市場の急成長が見込まれる新サービスに肩入れして新しいビジネスを展開するのか、トヨタが二者択一を迫られる日は遠くない。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)

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