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藤森氏の業績連動報酬3億円は支払われなかったため、実際に受け取った役員報酬は2億2400万円ということになる。瀬戸氏は、業績連動報酬が7500万円となっていたので、受け取った役員報酬は5000万円になる計算だ。
藤森経営の負の遺産は巨額ののれん代と商標権
藤森流経営の特徴は国内外でのM&Aだった。その結果、16年3月期末には、のれん代と商標権が急増した。のれん代と商標権は3861億円に達し、15年3月期に比べると5.4倍に膨らんだ。このうち、独水栓金具メーカー、グローエ分が3293億円で全体の85%を占める。
LIXILグループは国際会計基準を採用している。グローエの業績次第では巨額ののれん代を減損損失として計上しなければならないというリスクを抱えることになった。
瀬戸新体制は9月30日付でグローエを完全子会社にする。共同買収した日本政策投資銀行が保有する全株式を450億円で取得する。完全子会社にすることでガバナンスを強化して収益力を高め、減損損失を回避するのが狙いだ。
国内では住宅用木材事業子会社、ハイビックを8月下旬をメドに投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループに売却する。ハイビックは、11年10月に買収して完全子会社にしていたが、低収益が続いたため連結対象から切り離す。
海外のM&Aに特化した藤森氏が手をつけなかったのが、国内の住宅関連事業だ。顧客である大工・工務店の不満が高まったことが、潮田氏が藤森氏のクビを切る理由のひとつとなった。
瀬戸氏は、藤森氏が敷いた事業戦略の全面的な見直しを急ぐ。豪腕で鳴る藤森氏が敬遠した、住宅関連の国内流通の近代化に切り込めるのかに注目が集まる。
(文=編集部)
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