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ハローキティ、安売りで毀損するブランド…サンリオの豹変、強力キャラ不在で悪あがきか

文=編集部

 もちろんサンリオも、今までの路線を捨てて考えなしで企画をしているわけではない。同社広報担当者によると、「サンリオの定番キャラクターを好きなイケメンのキャラクター=サンリオ男子を好きになってもらうことで、サンリオキャラのことも好きになってもらいたい」とのことで、また逆に従来のサンリオファンからも、同じサンリオ好きとしてキャラクターに強い共感が得られるような仕掛けになっている。

オタク・ブームの流れに乗り切れるか

 今、アニメやマンガといった「2次元」の仮想世界と、私たちが住む「3次元」の現実世界の垣根が少しずつ壊れつつある。

 その代表のひとつとして挙げられるのが、「2.5次元ミュージカル」だ。

 2.5次元ミュージカルとは、マンガ、アニメ、ゲームなどを原作とする世界観を舞台にショー的な要素を加えたライブエンタテインメントであり、古くは宝塚歌劇団が上演した『ベルサイユのばら』などがある。近年ではマンガ『テニスの王子様』(集英社)を舞台化したミュージカルが火付け役となって広く知られるようになり、日頃観劇とはかかわりの少ない若い世代からも広く支持を集めている。

 サンリオピューロランドでも、昨年9月より初の男性だけのミュージカル『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』を上演しており、イケメン揃いのキャストの演技を間近で観られることもあって、足しげく通い詰める女性たちで溢れている。

 サンリオがここまで従来の方針から転換している理由には、メイン層である子供だけでなく、10代後半から20代の女性たちをうまく取り込みたいという思惑がある。

 人気声優の起用で記録的なヒットをしたテレビアニメ『おそ松さん』(テレビ東京系)や、「応援上映」という特殊な演出がウケ、ロングランを続ける“キンプリ”こと映画『KING OF PRISM by PrettyRhythm』(エイベックス・ピクチャーズ)など、今、女性向けのオタク・コンテンツが非常に盛り上がりをみせている。

 その背景には、オタク・ブームによる認知度の上昇で、比較的ライトな層でもコンテンツに参入しやすくなったことがあるが、女性向けのオタク・コンテンツの特徴として、関連グッズの販売において、男性向けのそれと比べて高級品よりも廉価な小物類が売れやすい。小物類が売れやすいということは、グッズ販売を中心事業とするサンリオにとって、うまくその層を取り入れることができれば大きな強みになる。また1990年代のハローキティブーム当時に小中高生だった女性たちは、今では30代半ばと購買力の高い世代になっており、その世代をうまく還流させることができれば売上上昇にもつながる。

BusinessJournal編集部

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