7月22日に配信されたスマートフォン(スマホ)アプリ「ポケモンGO」と連携した効果もあり、日本マクドナルドの7月の既存店売上高は前年同月比26.6%増と、8カ月連続でプラスとなりました。客数は同9.8%増で7カ月連続プラスとなっています。
全国のマクドナルド約2900店舗のうち約400店舗は、ほかのプレイヤーのポケモンと戦う「ジム」と呼ばれる拠点で、残り約2500店舗はゲーム内で使う道具を手に入れられる「ポケストップ」と呼ばれる拠点です。
マクドナルドは、消費期限切れ鶏肉の使用など、品質問題が発端となって業績が悪化していました。直近の2016年12月期第1四半期連結決算の純損益は、いまだに赤字ですが、ポケモンGOにより集客が回復傾向にあるため、今後は業績回復が期待できそうです。
ただ、逆に業績回復の足かせとなってしまう可能性もあります。マクドナルド店内において、ポケモンGOにまつわる事故やトラブルが発生すれば、一般客の足が遠のく恐れがあるからです。
実際にポケモンGOによる事故やトラブルは、各地で相次いでいます。自転車に乗りながらプレイし歩行者に衝突する事故や、ゲームに夢中になっていた女性がわいせつ被害に遭う事件などが多発し、グアテマラでは、プレイ中の少年がポケモンを捕獲しようと他人の住宅に侵入し、射殺される事件が起きてしまいました。
トラブル発生で一気に客離れの懸念
今のところ、マクドナルドで事故やトラブルが起きたとは報じられていませんが、今後も発生しないという保証はありません。ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)も普及しているため、ちょっとした事故やトラブルでもインターネット上で瞬く間に広がります。ポケモンGOブームは過熱しているため、些細なことでもマスコミは取り上げるでしょう。メディアで報道されてしまうことで、マクドナルドのイメージが悪化してしまう危険性があります。
たとえば、ゲームに興じた客が席を長時間占拠することで、ほかの客に迷惑をかけることが考えられます。没頭するあまり、満席であることに気づかないということは大いにあり得ます。また、バトルに興じた人同士がヒートアップしてしまい、大声で叫んだり喧嘩してしまうといったことも起こるかもしれません。なかには、ポケモンGOに興じて迷惑をかける客に対して直接注意をする人も出てくるでしょう。それが喧嘩に発展してしまう可能性もあります。