日本経済、不況期突入の兆候…米中経済の同時的停滞が飛び火の危険
文=真壁昭夫/信州大学経法学部教授
その場合、日本の景気動向には注意が必要だ。円高は国内の企業業績の悪化、株価下落、賃上げ期待の剥落につながる。円高への抵抗力をつけるためには、民間企業の自助努力によって技術力や生産性を高め、より効率的に付加価値を生み出していくしかない。
それは創造的破壊=イノベーションにかかっている。徐々に世界経済の先行き不透明感が高まり、円高リスクへの懸念も出やすいなか、政府は企業のイノベーションを支え、新規産業の育成などに注力していくべきだろう。
(文=真壁昭夫/信州大学経法学部教授)