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江間正和「飲食業界を“数字と現場”で科学する」

食べログ、運営側が点数操作疑惑を否定…なぜ「公平さ」への疑問広がる?点数動いた理由

文=江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部代表

一部の店が一斉に評価下落の原因

 では今回、なぜ一部のお店の点数が一斉に3.0周辺に評価が下がったのか、その原因を3つの観点から分析してみます。

(1)影響度の高いユーザー

 食べログは「一部の人の書き込み」でも点数が動いてしまいます。通常は10件以上の書き込みなど、多くの書き込みがある場合に点数が動き、自然ですが、数件(5件くらい、またはそれ以下)の書き込みでも高得点を出しているお店があります。

 そういうケースにおけるレビュアー(書き込み者)は、「ある特定のレビュアー」であることが多いです。この「ある特定のレビュアー」を食べログは「影響度の高いユーザー」と表現していますが、彼らの嗜好や好き嫌いで点数が動くことで売上に影響が出てしまうことが、飲食店としては気に入らない理由の1つでしょう。

 点数に影響力のある一部のレビュアーが、「本当に公正な人」「味がわかる人」なら納得するかもしれませんが、当然ながら気分で点数をつける人もいます。飲食店側からすると書き込み者がどのお客であったのかは、おおよそ見当がつくので、うっぷん晴らし的な書き込みや点数のつけられ方をされた場合は、納得しづらいというのが本音でしょう。

 さらに食べログの書き込み者の中には、いまだに「業者」もいます。単純に書き込みをすることによって金銭を受け取る人もいれば、集客コンサルタントや保険業者、飲食店と取引している関連業者、書き込み仲間で横のつながりをつくり飲食店からの見返りを想定して書き込みをしたり、他の書き込み者を連れてきたりする「準業者」ともいえる人もいます。こうした人々による書き込みはPR目的なので、画像や商品説明が多くなりがちなのが特徴です。IDを2つ持って飲食店の点数アップに寄与する人もいます。

 食べログは、「お店のランキングや口コミを不正に操作する業者を排除するため、様々な取り組みを行っております」と対策の項目を挙げていますが、その中の「弊社レビュアーサポートのメンバーによって全国各地でオフ会を開催しております。レビュアーユーザーの方々と実際にお会いしています」の部分にも、いい面と悪い面が共存します。

 このオフ会に呼ばれる人の中には、自分が影響力のあるレビュアーと自覚し、飲食店にその旨をPRしている人もいて、それをまた営業ツールに活用するケースもあります。ただし、食べログもそうした行為を取り締まるための「パトロール」をがんばっており、今回一部飲食店の評価が一斉に下がった要因として、ブラックリストにのるレビュアーの口コミを無力化したことがあるのではないかともいわれています。公正さを目指す食べログの日々の努力は評価できます。

江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部(株)代表

江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部(株)代表

東京未来倶楽部(株)代表
5年間大手信託銀行のファンドマネージャーとして勤務後、1998年独立。14年間、夜は直営店(新宿20坪30席)ダイニングバーの現場に出続けながら、昼間、プロデューサー・コンサル業。コンサル先の増加と好業績先の次の展開のため、2012年5月からプロデューサー・コンサル業に専念。
「数字(経営者側)と現場(スタッフ・オペレーション)の融合」「各種アイデア・提案」が得意。また、現場とのメニュー開発等、自称<「実践」料理研究家>。
・著書:『ランチは儲からない、飲み放題は儲かる』『とりあえず生!が儲かるワケ』『ド素人OLが飲食店を開業しちゃダメですか?』

Instagram:@masakazuema

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