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午堂登紀雄「Drivin’ Your Life」

民泊ブームの罠…儲けるのは極めて難しいといえる根拠、儲けている人はこうしていた!

文=午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役
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 また、集団の旅行客のなかにマナーの良くない人がいれば、近隣からのクレームがありますし、セキュリティの問題もあります。私が所有しているマンションもそうですが、区分マンションの場合は民泊不可の規約を設けるところが増えています。さらに入居者がオーナーに無断で民泊を行うことによるトラブルも多発しているようです。昨今、摘発される業者が増えていますが、民泊はグレーゾーンといわれるとおり、旅館業法や条例等の違反も相次いでいます。

 さらに、ホテルと同じ運営形態ですから、それなりにコストと手間暇がかかります。たとえば、以下のようなものです。

・家具、電化製品一式の設置で初期投資がかかる(逆に民泊をやめるときには処分が必要)
・問い合わせへの対応が必要となり、外国人の場合は英語での対応となる。英語以外で問い合わせがくることもある。
・カギの受け渡しの手間
・清掃、ゴミ捨て、シーツのクリーニングが退室のたびに必要。何日かに一度は敷布団や掛布団のクリーニングも必要。
・汚損、破損という目に遭ったら、だれがどう補償するのかという問題
・水道光熱費の無駄遣い。たとえばエアコンつけっぱなし、水道を出しっぱなしで外出するような宿泊客もいる。
・利用案内やマニュアルを作成する必要がある。特にお風呂やウォシュレットなど、海外の人にとっては珍しい設備は、外国語での説明が必要。

 とはいえ、昨今は上記の作業を代行する業者が増えていますから、お金さえ払えばやってもらえます。ただし手数料は通常の賃貸よりも多くかかり、部屋の清掃だけを取ってみても1回3,500~5,000円ほどと、結構ランニングコストがかかります。宿泊料金の設定次第では、それほど儲からないということも起こりそうです。代行業者も乱立気味で、料金やクオリティで差も大きいようです。

成功の秘訣

 うまくいっている人は、次のような運営をしているようです。

・立地条件が良い物件を持っている
・特長づくりがうまい(コミック読み放題などユニークなテーマや斬新なインテリア、おもてなし、体験、交流などの特典)
・特長をアピールする個性的なトップページ写真とキャッチコピー
・好レビューを増やす
・時期や稼働状況に応じた柔軟な価格変更
・代行業者を使うところ、自分でやるところを分けコストダウン
・長期滞在需要を取り込み連泊してもらうことで、清掃等の頻度を減らす
・1棟物件をリフォームして旅館業許可を取得するなどし、シェアホテルやウィークリー・マンスリー対応など幅広い宿泊需要を獲得している

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

 1971年、岡山県瀬戸内市牛窓町生まれ。岡山県立岡山城東高等学校(第1期生)、中央大学経済学部国際経済学科卒。米国公認会計士。
 東京都内の会計事務所、コンビニエンスストアのミニストップ本部を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして勤務。
 2006年、不動産仲介を手掛ける株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。2008年、ビジネスパーソンを対象に、「話す」声をつくるためのボイストレーニングスクール「ビジヴォ」を秋葉原に開校。2015年に株式会社エデュビジョンとして法人化。不動産コンサルティングや教育関連事業などを手掛けつつ、個人投資家、ビジネス書作家、講演家としても活動している。

Twitter:@tokiogodo

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