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しかも、その43億円安くできるという計算は、誰が行ったのか。客観的状況から成り立つ計算であれば、単に柳泉園組合が今まで経費をかけすぎていたということであり、今後は経費削減に努めればよいだけである。もし特定の企業に相談して「15年契約になれば、それだけおまけする」という確約をもらっていたのであれば、すでに落札業者は決まっているのも同然となる。
お金が安くなるという一方で、入札方法は落札価格の高低で事業者を決める一般競争入札ではなく、総合評価方式という落札事業者を柳泉園組合が実質自由に決められる方式にしている。実質、随意契約と変わらないという声もある。
入札応募条件をみると、「焼却炉の建設にかかわった焼却炉メーカー等」ということであり、柳泉園組合の実情に通じている焼却炉メーカーが結局落札するのでは、とすでに噂されている。
しかも入札公告に至る経過(図表1)をみると、最大の特徴は、審議に参加しているのは柳泉園組合や行政機関、行政機関のOBなどに限定され、住民や市民団体、そしてその代表としての議員や周辺住民の参加も一切ない。
振り返って、この長期包括契約による最大の受益者は、落札する焼却炉メーカーであろう。15年の長きにわたり競争なく安定的に仕事にありつけることになる。市民への説明や議会での正々堂々とした論議をせず、本来行政の監視役として議会に送られている議員すら全体像がわからないまま、入札公告がされたという事実だけが進行し、住民の声は最初から排除されている。不透明さという点では、築地市場の豊洲移転と同様といえる。
ごみの焼却と自治体の役割―丸投げ委託は自治体の空洞化?
築地市場の豊洲への移転も、移転間近になって豊洲での汚染対策、安全性の確認などが行われ、東京都議会では基本的な議論や点検が行われていなかったことが判明し、大騒ぎになっている。豊洲移転に関係し、築地市場の事業者や利用者住民の声を無視した巨大な箱物造りの実態が明らかになるきっかけは、重金属汚染に対して埋め立て土による汚染防止策がとられていなかった環境問題だった。
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