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その規定の下、災害時に排出される災害廃棄物も一般ごみとし、基本的には地域の実情をもっとも把握している市町村の役割としている。
その市町村が、ごみの処理を民間企業者、しかも、ごみが減っては商売が成り立たない焼却炉メーカーに委ねることの是非も問われている。今、東京都三多摩地域にある柳泉園組合で進められている長期包括契約は、このような基本的な論議なしに進められない重要なテーマを含む問題と言える。
(文=青木泰/環境ジャーナリスト)
【論点整理】
(1)基礎自治体である構成市のごみの処理の一部を担うごみ焼却組合が、その業務のほぼ全部を民間企業に委託することが、法令的に可能なのか。
(2)ごみの焼却処理は環境問題の観点からも重大問題であり、都市部における公害の発生源であるごみ焼却、清掃工場の施設運営を、巨大焼却炉メーカーに委託することの是非
(3)このような重大事を一事務組合であるごみ焼却組合だけで決めてよいのか、という自治法上の問題
【註1】:柳泉園組合クリーンポート長期包括運営管理事業
【註2】:自治法上は特別地方公共団体
【註3】:三多摩地域では「病院」「競馬」「競艇」「プラネタリウム」などの運営をする「一部事務組合」等もある。柳泉組合議会の議員は、構成市ごとに3人ずつ選ばれ、全体で9名で構成され、年間の定例議会は、3、6、9、12月議会が各1日ごとに4日間開かれる。
●青木泰(あおき・やすし)
民間時計会社の研究技術者を経て、環境ジャーナリスト。NPO法人ごみ問題5市連絡会、廃棄物資源循環学会会員。『プラスティックごみは燃やしてよいのか』『空気と食べ物の放射能汚染』(共にリサイクル文化社)、『引き裂かれた「絆」―がれきトリック、環境省との攻防1000日―』(鹿砦社)などの著作。
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