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2023.05.03 22:33
2017.02.21 00:12
高井尚之が読み解く“人気商品”の舞台裏
スタバより顧客満足度高いドトールより約2倍も高額でも客殺到…極上の時間味わえるカフェ
ティールーム・ニコルの座席
アップルパイとコーヒーのセット
3世代で取り組む「地震後の由布院」
ほかの多くの観光地と由布院との違いには、スムーズな世代交代も挙げられる。今回、紹介した桑野氏は1964年生まれ、秋吉氏は87年生まれだ。由布院に近い湯平地区で生まれ育った秋吉氏は「子供の頃から由布院に来ていた」という。中谷氏や溝口氏がこだわった町づくりを、子供世代や孫世代が受け継いでいる。ちなみに、取材に同席した糸谷友宏氏(亀の井別荘・管理部部長、82年生まれ)は兵庫県出身で、入社前は由布院ファンのひとりだった。中谷氏の言葉「地者(じもの)も他所者(よそもの)も一体化」で町づくりに取り組んでいる。
2016年に起きた熊本地震は、世代の違う2人に同じ思いを抱かせた。
「4月16日(同本震発生時)より前に戻すのではなく、もう一度由布院らしさを追求したい」(桑野氏)
「地震後に閑散とした由布院に来られた常連客が『昔の由布院のようだ』と語った言葉には衝撃を受けたが、地元で育った人間として共感できるものがあった」(秋吉氏)
「鏡開き」時に披露された源流太鼓の演奏
筆者が訪れた1月11日、亀の井別荘は恒例の「鏡開き」を行い、訪れた観光客にお汁粉を振る舞った。見物客も多いと感じたが、常連客に聞くと「昨年(熊本地震前)の半分程度のにぎわい」だという。だが、ここからが新たな魅力発信だろう。1975年の大分県中部地震直後に中谷氏や溝口氏が取り組んだ「いらっしゃいの宣伝ではなく、由布院はこんな町ですと『表現』をする」との思い。「新たな表現」が子供世代や孫世代の“宿題”だ。
(文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)
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