どんな環境にも動じない強い組織となれる「ビジョン実現型人事評価制度」とは?
資金力で劣る中小企業が大企業と伍して戦っていくためには、一にも二にも「人材の力」が不可欠。
経営者のビジョンや経営理念を言語化して、人事評価に落とし込むことで、今いる人材やこれから採用する人材の考えや行動、成長の方向性のベクトルが、会社の進むべき針路に沿ったものになり、組織の底力がついていく。
これが、今中小企業を中心に多くの会社で導入され、成果を挙げている「ビジョン実現型人事評価制度」の概要である。
「ビジョン実現型人事評価制度」実現のための土台づくり
連載第3回の前回では「ビジョン実現型人事評価制度」の全体像が解説されている『改訂新版 小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方』(山元浩二著、あさ出版刊)から、この人事評価制度の「はじめの一歩」となる、経営理念の明確化について、その方法を紹介したが、最終回となる今回は、経営理念だけでなく、行動理念、そして経営者のビジョンなどを、いかに企業の現場で、具体性のある制度に落とし込んでいくかに迫る。
まず、制度化の前につくる必要があるのが「ビジョン実現シート」というもの。前回は一例として経営理念のつくり方を紹介したが、「ビジョン実現シート」は、経営理念の他に
・基本方針
・行動理念
・人事理念
・ビジョン
・行動計画
・事業計画
・戦略
・現状の人材レベル
・10年後の社員人材像
・ギャップを埋めるために必要な課題
を書き込んでいく。これらが制度化の土台となる。
「ビジョン実現型人事評価制度」を機能させるために必要なこと
「ビジョン実現シート」が完成したら、今度はそれを人事評価制度に落とし込む必要があるが、評価項目をつくる前に、まず「経営計画発表会」を行い、ビジョン実現シートの内容を、全従業員に共有する。
この際、紙にして全員に配ったり、部下に伝えるよう管理職に求めることはNG。必ず、経営者自身が自分の言葉で伝えるようにしよう。
経営計画発表会の目的は
1.会社の考え方、方向性を全社員と共有する
2.社員に「人事評価制度」の目的と役割を理解してもらう
3.社長の決意を伝える
の3点。これらが従業員に伝わらないと、せっかくの人事評価制度も、機能しにくくなってしまうという。
これが済んだら、従業員全員に「ビジョン実現型人事評価制度」への参加意識を持ってもらうために、人事評価の基準づくりに必要な情報をヒアリングしていく。ここまで済んで、初めて評価の基準づくりのプロセスに入っていくのだ。
どの工程も、キモになるのは「上から押しつけるのではなく、全従業員に当事者意識を持ってもらう」こと。人事評価制度といっても、経営側が従業員に強いるのではなく、全メンバーが一緒につくっていく。これをいかに徹底できるかが、「ビジョン実現型人事評価制度」の成功の秘訣と言えるかもしれない。
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この連載では「ビジョン実現型人事評価制度」について、そのメリットや概要、導入までの手順を紹介してきたが、より深く知るためには『改訂新版 小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方』を一読することをおすすめする。
「ビジョン実現型人事評価制度」の導入プロセスや、効果を発揮するための条件だけでなく、中小企業が強い組織になっていくために不可欠な考え方についても解説されており、悩める経営者にとって目からウロコの一冊となっている。
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